Empty Dumpty
ヒトもすなるぶろぐといふものを、私もしてみむとてするなり。 徒然なるままに文章を書いてみるつもりです。
Moonlit Promises VIII
微妙に間違っている世界。
私が見たのは夢か現か。

こんばんは
フェルゼです。

さて、今回も続きとなります。
お付き合いいただける方は、以下からどうぞ。
 朝。
 待ち合わせをして二人で一緒に登校してみた。
 途中で会ったのは、フェイトちゃんと同じ、教育実習生の人。
 「お、フェイトちゃんおはようさん」
 「あ、はやて。おはよう」
 "はやて"+"関西弁"?
 確か…。
 「えっと…八神先生、おはようございます」
 「あたしのことは、はやてでええよ」
 八神先生が、じろじろと私たちを見る。
 …?
 「はやて?」
 「その仲の良さ、どうやら例の"なのは"ちゃんやな?」
 八神先生の視線の先。
 つながれた、二人の手。
 「わっ!」
 「えぇやん、離さんでも。仲良きことは美しきかな、やで」
 「は、はやて!」
 「…あの、やが…はやて先生」
 「ん?なんや?」
 「"例の"って、なんですか?」
 「あぁ、それはやな」
 「ちょっと!はやて!ダメ!」
 「私らが知りあったんは、大学入ったときやったんやけどな。
  親しくなった翌日から、もうなのはちゃん自慢。
  "私には、幼馴染のなのはってこがいる"
  "ものすごく可愛い子で、数年会えてないけど美人になっているに違いない"
  "今年は高校受験だけど、大丈夫だろうか?うぅん、大丈夫に決まってる"
  "なのはも今年から高校生か…。制服姿、見たいな…"
  エトセトラ、エトセトラ」
 「う、うぅ…」
 「フェイトちゃん…」
 「だからなのはには聞かれたくなかったのに!」
 「常日頃のろけられ続けた恨みや」
 「はやてだって、のろけてたじゃない!」
 「あれはあれ。それはそれ」
 「…もぅ!行くよ!なのは!」
 「あ、待ってフェイトちゃん!」
 早足で歩き出したフェイトちゃんに引かれて、はやて先生が遠くなる。
 ただでさえ背の高いフェイトちゃんがそんなに急ぐと…私としては駆けざるをえない。
 そのまま、二つほど角を曲がって。
 フェイトちゃんが足を止めた。
 誰もいない、路地の隅。
 「…ごめんね、なのは」
 「うぅん、いいの。
  それよりフェイトちゃん…訊いても、いい?」
 「私が、ここにきた理由?」
 「うん…」
 フェイトちゃんは一つ、息をして。
 ゆっくりと、話し始めた。
 「本当は、ここの高校に入ったって、知ってたんだ。
  だから、あえて私はここを希望した」
 「私に会いに…じゃ、ないよね」
 「ごめんね…私は、なのはの様子を見てそれで、諦めようと思ったんだ」
 「何で?」
 「ホントはね、なのは。
  私、あんな事いったこと、少しだけ後悔してたんだ」
 「…どうして」
 「一緒にいられもしないくせに、縛るようなことを言ったから」
 そう、小さく笑った。
 「近くにいる人と幸せになっているかもしれない。
  もう、幸せを見つけているかもしれない。
  そう思った。
  そうなれば、いつまでもなのはのことばかり想ってる私は、迷惑だから」
 「迷惑なんかじゃ…。
  それに、私だって、望んで…」
 「それに、ね」
 私の言葉を遮って、フェイトちゃんは。
 「色々、気付いちゃうから」
 そう言って、顔を俯けた。
 「あの頃だって、この気持ちは普通じゃないってことくらい分かってた。
  …ううん、分かってるつもりだった」
 くん…と、空を見上げる。
 「でも、成長していくにつれて。
  世界を知っていくにつれて。
  分かってなかったんだって、思い知らされたよ」
 「フェイトちゃん…」
 「私じゃ、なのはを幸せになんてできない。
  そう、思ったんだ」
 沈黙が、降りた。
 「ごめん、変な話しちゃったね。
  行こ、なのは」
 そういって引かれた手を、引き寄せる。
 「なの、は?」
 バランスを崩したフェイトちゃんに、小さく抱きついて。
 なかなか自信を持ってくれない私の恋人に、ギュッて、抱きついて。
 「フェイトちゃんじゃなきゃ、私を幸せに出来ないもん」
 囁いた私に、フェイトちゃんは。
 ちょっと驚いたような表情を浮かべてから、ふっと、力を抜いて。
 「うん…努力する」
 そう、小さく笑った。



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