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ヒトもすなるぶろぐといふものを、私もしてみむとてするなり。 徒然なるままに文章を書いてみるつもりです。
お知らせ と 再掲載 Their party's never over.
裏側を認識することで。
表を、知る。

こんばんは
フェルゼです。

だましだまし
だましだましやってきましたが、限界のようです。

一時、停滞します。

早ければ、来月の中ごろには徐行発進をかけられると思いますが…。
遅くなった場合、いつになるやら想像もつきません。
訪れてくださる皆様には申し訳ありませんが、以上の旨ご了承願います。

それでは…
の前に。
停滞前最終更新話が期間限定の、しかも「中の人」の跡地というのはあまりにもあまりにもな気がしたので、
再掲載ですが、一個載せておこうと思います。
掲載してくださっているのは皆様ご存知、長編も(色々)大人気な「Rhythm Five」様。
組み合わせとしましては「なのはさんとフェイトさん」になります。
拙作に関しまして、「ドレスコードがおかしいのでは?」というコメントをいただき、頭をひねってみたのですが私では修正が不可能でした。
と言いますか、恐ろしくノリ任せで書いたので下手に手を入れられませんでした。
せっかく注意してくださったのに、すみません。
未熟さを痛感しております。

それでは、以下からどうぞ。
失礼いたします。
 「ねぇはやてちゃん」

 「なんや?」

 「帰ってもいい?」



 Their party's never over.




 設立間もない六課はどうやら何かと大変らしく、はやてちゃんが色々と手を回していたのは知っていた。
 で、その一環として、上層部の人などが多く参加するパーティーにも顔を出さねばならないと愚痴られたのが一週間前。
 一緒に行かないかと誘われたのが六日前。
 嫌いじゃないけどあまり興味もなかったから断ったのが五日前。
 フェイトちゃんも来ることになったんやけど、なのはちゃんは来ないんやったな?と聞かれたのが四日前。
 やっぱり行くと返事をしたのがその一秒後。
 そして現在に至る。

 「もぅちょっと、もうちょっとだけおってぇな。な、なのはちゃん」
 この通り、とはやてちゃんが頭を下げるけれど、どこかおどけているそれはなんだか気に食わなかった。
 「六課のエース二人は才色兼備やって評判でな。おってくれるだけでいいねん」
 そうすればあたしも少しは気が楽やし。そう小声で付け加えたのは聞かない振りをした。
 わかっている。
 出席した以上、ある程度までは姿を見せていないと失礼にあたるし。
 そうなれば当然はやてちゃんの肩身も狭くなるだろう。
 わかっている。
 わかっては、いるのだけれど。

 ……つまらない。

 「で、その二人のエースのもう片方は?」
 「あ…えっと…どうしたんやろうなぁ?」
 あはははは…
 掠れた笑いで一歩下がるはやてちゃん。
 微笑みつつ一歩踏み出す私。
 そう、私が不満な理由はただ一つ。

 “フェイトちゃんがいない”

 ただそれだけのことだった。
 「や、なのはちゃんがフェイトちゃんのドレス姿を見たくて来たのはわかっとるんやで?」
 あれはちょっとした眼福やし。そう続けたはやてちゃん。
 「ちょ、ちょお…そう睨まんといてぇな…」
 そんなつもりはなかったんだけど。
 「お、あれは…」
 急にはやてちゃんの口調が変わった。
 フェイトちゃんかな。
 そう思って追った視線の先には。
 「はやて。そろそろだ」
 「ん。じゃ、いこかクロノ君」
 クロノ君がいた。

 「どうも」
 「おや、お姫様はご機嫌斜めか」
 「今ちょっと王子様を切らしててな」
 「なるほど。つまらなくてしょうがないって顔をしている」
 なんだかひどいことを言われている気がする。
 「じゃあ、ちょっとあたしはお偉いさん達にあいさつしてくるわ」
 勝手に帰らんといてぇなー。
 はやてちゃんはそう言い残して、クロノ君と人ごみの中に紛れて行ってしまった。




 「なぁ、はやて」 
 「ん?」
 「なのははずいぶんと地味なドレスだったが、あれでいいのか?」
 「まぁ、本人目立つつもりはないみたいやし」
 「それでも目立ってしまうのは…まぁ、仕方がないんだろうな」
 「華があるからなぁ。今頃大変なことになっとるんちゃうか?」
 「ユーノでも付けておけばよかったか?」
 「や、それはそれで後で大変なことになるで。なぁ、お義兄ちゃん?」
 「……それもそうか」



 「あの、お一人ですか?」
 「すみません。人を待っていまして」
 「そうですか…失礼いたしました」
 ちょっとだけがっかりした様子の男の人を見送って、私は小さくため息をついた。
 あれで何人目だっけ。
 こんなところで女が一人ボーッと立っていれば、そう取られても仕方がないのかもしれないけれど。
 いい加減断るのが面倒になってきた。
 軽く会場を見渡して、人が少なそうな一角を見つける。
 あそこなら、ここよりはましかな。
 そう思って、脇に置いていたグラスを手に取った。
 と。

 「お一人ですか?」

 背後から声をかけられた。
 またか…。
 正直うんざりしてきた。
 声をかけるのも勇気がいるのかもしれないが、断るのだって疲れるのだ。
 まぁ、ここは定型通りに断って逃げるのが吉だろう。
 「すみません。人を…」
 振り向いて、声が詰まった。

 すらりとした体つき。
 眼鏡の奥からこちらを見つめる優しげな瞳。
 白い肌。 
 タキシードを一部の隙もなく着こなした上品な身のこなし。
 肩のあたりで結ばれた、さらりとした綺麗な黄金の髪。
 正直、見とれてしまった。

 …はっ!いけないいけない!私にはフェイトちゃんという人が!
 「人を待ってまして!」
 「そうですか…それは残念です」
 耳に心地よい、少しだけハスキーな声。
 それではっ、と踵を返した私にもう一声。

 「てっきり、貴女は私を待っていて下さったのかと思ったのですが」

 へ?
 振り向いた私の眼に映った瞳は、優しいままだったけれどどこかいたずらっぽい光を秘めていて。
 あ、あれ?
 もしかして…
 「フェイト、ちゃん?」
 「お呼びでしょうか?姫君」
 芝居がかった様子で頭を下げたその人は、確かに、私の待ち人だった。



 「びっくりしたよ…」
 先ほど狙った一角に移動して、私はようやく一息入れた。
 フェイトちゃんと合流してから誰も声をかけてこなくなくなったのはやはり、そういうことなのだろう。
 むしろ周囲の女性からの視線が感じられるようになったことが、恥ずかしいような嬉しいような。
 横目でそっと、フェイトちゃんの格好を確認する。
 男性参加者と同じような黒のタキシード。
 これが男の人以上に似合ってるから困る。
 …あれ?
 「フェイトちゃん」
 「ん?」
 「その…胸、は?」
 なかなかの発育状態を示していたはずのそれは、もしや。
 「無理矢理押さえつけてるんだ…」 
 少し顔をしかめるフェイトちゃん。
 息苦しいようだが、確かにあれを誤魔化すには…仕方がないのだろう。
 「髪結んでる位置も、違うんだね」
 「うん。この格好なら、この位置の方がいいって言われてね」
 「で、メガネなんだ」
 「伊達だけどね。似合わなかった?」
 「ううん。よく似合ってるよ」
 スマートなデザインのそれは、フェイトちゃんの知的な印象を余すところなく引き出している感じがした。
 「それに…お化粧が?」
 「うん。いつもとは違って、なんだか男の人みたいに見える方法を」
 「ふぅん…」
 なるほど。
 「で、仕込んだのは?」 
 「はやて」
 当然か。



 「どうしてそんなことになったの?」
 「ん…?えっと…あれは五日前の夕方だったかな。はやてに呼び出されてね。何の用だろうって思ったら、なのはとパーティに出ないか、って」
 「それで了承したの?」
 「うん」
 「へぇ…」
 正直、珍しいと思った。
 フェイトちゃんはてっきりこういうのは私以上に避けるかと思っていたから。 
 「ホントは断ろうかな、とも一瞬思ったんだけどね」
 「あ、やっぱり」
 その一言にフェイトちゃんは苦笑したけれど。
 「でも」
 真面目な表情で私を見つめて
 「なのはのドレス姿、また見たいなって、思ったから」
 ゆっくりと、微笑んだ。
 「綺麗だよ、なのは…」
 「……!」
 頬が熱を持つ。
 急にその瞳に映っている自分が恥ずかしくなって。
 グラスを抱えてそっぽを向いた。
 「なのは?」
 視界の隅に、フェイトちゃんが映る。
 背中を向ける。
 「なのは」
 背中を向ける。
 「なーのーは」
 背中を…
 「なのは、みーつけた」
 回り込まれていた。
 「なのは、こっちを見て」
 「…」
 俯いたままで。
 「ね、なのは」
 きっと、真っ赤だから。
 「かわいい顔、見せて?」
 「…うぅ…」
 恥ずかしい。
 「かわいくなんて、ないもん」
 「かわいいよ、誰よりも」
 とても、恥ずかしくて。
 「私の、なのは」
 「……」
 でも、それ以上に嬉しいから。
 ゆっくりと顔を上げて。
 抱きつく振りをして。
 唇の端っこに、そっと、キスをした。



 「なんか、今日のフェイトちゃん変」
 「そうかな?」
 「…いつもは、あんなこと言わないもん」
 「あはは…この格好のせいかな」
 苦笑して自分のタキシード姿を見降ろしたフェイトちゃんが、次の瞬間ずいっと顔を寄せてきた。
 「な、何!?」
 「なのは、私だって気づく前に見惚れたでしょ」
 それはあの振り向いた瞬間。
 「あ、気付いてた…?」
 「当たり前」
 「にゃはは…」
 「…なんか、フクザツ」
 「フェイトちゃん?」
 「なのはが見惚れてくれたのは私だったわけだけど、でも、まだ私じゃなかったわけだし」
 眉間にしわを寄せる彼女。
 きっとまた、考えなくてもいいことまで考えている。
 だから。
 「フェイトちゃんだからだよ」
 ぽふっと、彼女の肩に頭をのせる。
 「頭では気付かなかったけども…」
 私もきっと、この雰囲気に酔っているんだよね。
 「でも、ね。きっと心が気付いたんだよ」
 いつもなら言えないような事を言ってみて、少しだけ気持ちがいい。
 「私の心はいつも、フェイトちゃんを見てるから」
 ね?と首をかしげると、フェイトちゃんは真っ赤になって。
 「…ありがとう、なのは」
 また、いつもみたいに笑った。
 
 


 「おぅ、お姫様のご機嫌も麗しいようで」
 楽しげな声に顔を向けると、どこかしてやったりという顔をしたはやてちゃんがいた。
 確かに、見事にやられたわけだけど。
 悔しくはないから。
 「うん」
 とだけ。
 「…」
 と、その隣に立つクロノ君が何やら妙な表情。
 「クロノ君?」
 上の方の人たちと何かあったのだろうか。
 「どうかしたの?クロノ」
 そんなクロノ君は、フェイトちゃんを見てため息を一つ。
 「…義妹の方がかっこよく見えるというのは…義兄としてはいろいろ複雑な気分だな」
 ふふん
 当然。
 私のフェイトちゃんは誰よりもカッコいいんだから。
 「あ、なのはちゃん今得意げな顔したやろ」
 あ、ばれた。




 「無事、終了、と」
 「お疲れさん」
 何やら少し難しい話を始めたはやてちゃんとクロノ君の後を、フェイトちゃんと二人でのんびりと歩く。
 「お疲れ様、フェイトちゃん」
 「なのはこそ、お疲れさま」
 フェイトちゃんと一緒にいたせいで、あれ以来声をかけられなくなったけれど…フェイトちゃんに声をかけようと寄ってくる女の子を視線で撃退するのは確かに疲れたかも。
 「フェイトちゃんが来てくれる前は、帰る―とか言って…はやてちゃんに悪いことしちゃったかな」
 半分冗談だったけど。
 「せめて、おとなしく帰ろうかな」
 フェイトちゃんと夜のお散歩も悪くないんだけど…。
 なんて考えていたら。
 ぐっ…!
 急にフェイトちゃんに腕を掴まれた。
 「え…?」
 抗う間もなく、脇道に引っ張り込まれる。
 「フェイトちゃ…」
 言葉を、唇で止められて。
 「ん…」
 「ん…ふ…」
 “ど、どうしたのフェイトちゃん!?”
 こんな使い方はどうかと思ったけれど、念話で話しかけてみる。
 私の唇を一舐めして、離れていくフェイトちゃん。
 いつの間にかはやてちゃんたちの声は聞こえなくなっていた。
 「…ねぇ、なのは」
 「な、なに…フェイトちゃん…」
 眼鏡を外し、私の眼をじっと見つめる瞳の奥。
 優しさの向こう。
 いたずらっぽい光の向こうに。
 紅
 熱が、見えた。

 「はやてがね、明日は休みをくれるって…」
 「う、うん…」
 慣れないパーティーで疲れた代償にというそれは、私も聞いていた。
 囁くように、フェイトちゃんは続ける。
 「恋人同士でパーティーに参加した二人。一人は恋人のドレス姿にずっとドキドキしていました」
 「フェ、フェイトちゃ…ん…」
 ストールをずらして鎖骨の上。
 フェイトちゃんの唇がなぞっていく。
 「ふぁ、ぁ…」
 ぞくぞくする。
 膝に力が入らなくなって、脱力した私はフェイトちゃんに抱きかかえられて。
 「ねぇ、なのは…」
 耳元で響く、甘い声。

 ―――ワルイコト、したくない?

 

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