Empty Dumpty
ヒトもすなるぶろぐといふものを、私もしてみむとてするなり。 徒然なるままに文章を書いてみるつもりです。
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
涙であなたが見えない
まぶしい
せかい

こんばんは
フェルゼです。

またしても、
ずいぶんと時間がたってしまいました。
そして、年の瀬です。

本年も、お付き合いいただき、
どうもありがとうございました。
こんなペースですが、
多分、来年もぼつぼつやっていると思います。
よろしければ、訪ねてやってください。

さて、今回更新もカテゴリリリカル。
登場されるのは、なのはさんとフェイトさん。
何回目か忘れましたけど、
告白のお話?です。

お付き合いいただける方は、
以下からどうぞ。

それでは、よいお年を。
そして、よい新年が迎えられますように。


平成二十五年十二月
Amazing Graceを聞きながら



 クリスマス気分に便乗した、というわけではないのだけれど、
 聖夜の奇跡とかそんなものにあやかろうとした気持ちが、なかったわけじゃない。
 だってそれこそ、奇跡でも起きなければこの感情の収まる場所なんてないんだから。

 「なのは。
  私は、なのはが好きだよ」



 涙であなたが見えない



 「え……」
 楽しげに話をしていたなのはの表情が、固まった。
 今の今まで、只の友達だと思っていた人間から告白なんてものをされたのなら、しかもそれが同性なら。
 この反応は多分正しいんだろうな、なんてことを考える。
 「えっと……友達として?」
 フルフル
 なのはの問いに、首を横に振ることで答えた。
 そうだったらよかったのに。
 ただ友達として、なのはを好きでいられたのなら。
 そうしたらきっと、とても幸せだったのに。
 もうそれは、叶わない夢だ。
 「だから、なのは」
 「ちょ、ちょっと待って!」
 なのはが手を突き出して、待てのポーズ。
 「そんな、急に言われても、困る、し」
 「そうだろうね。
  でもね、なのは。
  これは、普通じゃない想いなんだ。
  だから、なのはが少しでもおかしいって思うのなら、すぐに断ってくれていい」
 「そんなにすぐ、諦めないでよ!」
 「なのは?」
 「あ、ううん、なんでもない……」
 なのはの視線が、私から外れて落ちた。
 向ける先のなくなった私の視線も彷徨って。
 ふらり、斜め上にはずれた私の眼が、赤く燃える夕日をとらえた。
 「もう、夕方か」
 なのはと待ち合わせた時はまだ、昼前だったのに。
 楽しくて楽しくて、そして苦しくて。
 いつの間にか、こんなに時間が経っていた。
 「そっか、夕方になってたんだね」
 私の言葉に顔を上げたのか、なのはの目も夕日をとらえていた。
 ちらり、その表情を横目に見る。
 そこには、出会った頃よりも格段に美しくなった少女。
 胸が締め付けられる。
 こんな想い、叶わない想い、早く、潰れてしまえばいいのに。
 「答え、もらえるかな」
 視線を合わせないままに、なのはに求めた。
 この気持ちに、終わりをくださいって。
 「じゃ、じゃあ、こんなの、どうかな」
 「どんなの?」
 「今は、ここでお別れするの。
  それで、今日中にまたフェイトちゃんと会えたら、その時には私はすぐ返事するよ」
 「会えなかったら?」
 「返事は……少し、待って」
 運命、というものだろう。
 なのはが任せたのは。
 運命に任せるというのなら、二人が出会えたのはまず間違いなく、運命だ。
 高町なのはというただの人間で終わるはずだった少女が魔法の力に目覚め、そして私に出会った。
 半ば以上に敵として現れたはずの二人がいつしか手を携える味方となり、友達になった。
 これ以上の運命など、探す方が難しい。
 「ん、わかった」

 「振られるまでの時間が伸びたってことかなぁ、ね、バルディッシュ」
 いつも以上に無口な相棒に話しかけてみたけれど、返事はない。
 考えている、というわけでもないようだ。
 答えない、というのがバルディッシュの結論なのだろう。
 「さむっ」
 通り過ぎて行った北風に首をすくめた。
 マフラーを口元まで引き上げて。
 「あれ?」
 ポケットを探る。
 「手袋、片方ない……」
 思い返す。
 先ほどの、なのはと別れた場所に移動するまではしていた。
 あそこで一度外して、ポケットに入れて。
 気づかぬうちに、片方、落としてしまったのだろう。
 「戻らなきゃな」
 今更、なのはのいないあの場所に戻っても、只未練を感じるだけなのに。
 ずるずると足を引きずりつつ戻る。
 先ほどまで腰かけていたベンチ。
 その上に、私の、黒を基調とした素っ気ない手袋が片方。
 と。
 見慣れた手袋が、これも片方だけ。 
 「……なのはの、だ」
 思わず呟いた声と一緒に、耳に届いたのは足音。
 顔を上げる。
 走ってきたのだろう。
 息を切らせて、目を丸くして、もう一度私の目の前に佇むなのは。

 「なのは」
 「フェイト、ちゃん……」
 「また、会っちゃったね」
 「うん……」
 途端に挙動が不審になるなのは。
 ちょっとだけおかしくて、笑った。
 「さっきはごめんね、なのは」
 「え?」
 「すぐに返事してほしいなんて無理を言って。
  言いにくいことだろうから、ゆっくり、なのはのタイミングでいいよ」
 私がそう言うと、なのはは、気のせいだろうか、とても悲しそうな眼をして俯いて。
 「フェ、イト、ちゃん……」
 「なのは……?」
 顔を上げたなのはの頬が赤い。
 いや、頬だけじゃなくて、耳まで赤い。
 「う、うわっ……」
 「うわ?」
 「浮気は、許さないんだからね!」 
 「え?」
 「そ、それだけ!」
 「え、ちょっとなのは、それってどういう」
 「私、ちゃんと返事したもん!
  二回は言わないんだからね!」
 「なのはー!」
 逃げるなのは。
 追う私。
 その背中を見て。
 必死で、見て。
 でも、おかしいな。
 霞んでしまう。
 雪でも降ってきたのかな。
 ……違うよね。
 これは――
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
copyright © 2005 Empty Dumpty all rights reserved.
Powered by FC2ブログ.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。