Empty Dumpty
ヒトもすなるぶろぐといふものを、私もしてみむとてするなり。 徒然なるままに文章を書いてみるつもりです。
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一段飛ばしのスピードで2
私じゃなくてもいいことだ
でも、私がやることだ。

こんばんは
フェルゼです。

ふわりふわりと考えていたら、
この有様です。
時の経つのは、早いような遅いような。

さて、今回更新もカテゴリリリカル。
前回の続きで、多分最後です。
さくっとね。
お付き合いいただける方は、以下からどうぞ。


 「さ、フェイトちゃん、こっちへどうぞ」
 「え?
  なんで私?」
 「あら、違うんですか?
  お友達を使って奴隷ごっこをするフェイトちゃんの頭を見るもんだとばかり」
 「……はやて、どんな説明をしたの」
 「ありのままやけど?」
 にやにやと意地の悪い笑みを浮かべるはやてに、絶対嘘だとため息をついた。
 「私じゃなくて。
  検査をお願いしたいのは、なのはだよ」
 「あらー」
 「私、ですか?」
 怪訝そうになのはが見る先で、シャマルがひらひらと手を振っている。
 「うん、検査をすれば何が原因でなのはがそうなったのか、わかるかもしれないからね」
 「そうなった……ご主人さま、なのははどこか変なのでしょうか?」
 「どこか変、というかなんというか……」
 「そうなのですね!?
  では、今ご主人さまを困らせているのはなのはなのですか!
  申し訳ございませんでした、ご主人さまを困らせるくらいならばいっそこの場で」
 「やめて待ってなのは!
  お願いだから、物騒なことはしないで!
  私の前からいなくなったりしないで!」
 「私は……ご主人さまのおそばに置いていただいてもよろしいのですか?」
 「もちろんだよ!」
 「はーい、惚気はそこまでなぁ。
  シャマル、準備できとる?」
 「もちろんですよ。
  簡易的なものですけどね」
 準備までしてあるってことは、やっぱり私をからかっただけじゃないか。
 「それじゃあなのは、私はここで待ってるから」


 「まぁ、そうねぇ……少なくとも、身体機能に異常はないわ。
  リンカーコアも正常。
  ただ、一部におかしな数値もあるようだから、それが原因なのかもしれないわね」
 ぽつぽつと手に持ったボードを叩きながら、シャマルが言った。
 「ロストロギアがその原因かもしれないって可能性は?」
 「否定はできないわね。
  本人にその辺りを尋ねても要領を得ない回答になってしまうから、今はこれ以上何とも言えないけれど」
 「そっか……でも、私とかのことはしっかり覚えているんだ」
 「最小限の記憶は残っているのかもしれないわ。
  生活に困らない程度、かしらね。
  はやてちゃんのこととかを覚えていないところからすると、本当に最低限だけしか容量がないみたい。
  でもそうすると、こうなっている間の記憶は、戻ってから……なくなっているかもしれないわね」
 「こうなっているって、例えば今検査を受けに来たこと、とか?」
 「えぇ。
  こういった事件の場合、引き継いだ記憶と引き継ぐ記憶の容量は、さして変わらない物みたいね。
  そんな症例なら、少しは見たことあるもの」
 「そう、なんだ」
 「だからフェイトちゃん」
 「うん?」
 「今なら、なのはちゃんに変なことしても、ノーカウントよ」
 「しないよ!
  変なことなんて!」



 「はぁ……まったく」
 なのはと一緒に帰宅してソファに座ると、溜め息のような愚痴のような言葉が漏れた。
 「ご主人さま、私何か粗相を……」
 「違う!
  違うからね!?」
 放っておくとどんどんと悪い方向へ傾きそうになるなのはを慌てて引き止める。
 うん、なんだろう、これってなんだか……。
 なのはって言うより、私、みたい、な。
 と、なると、だ。
 「なのは」
 「はい、何でしょうご主人さま」
 「夕ご飯の前に、お風呂入ってくるよ」
 「すぐに準備いたしますね」
 こうなるわけだ。
 「それじゃあ、お願い」
 こういう時、下手に断らない方がいいというのが、私の経験。
 その気持ち、わからなくもないから。
 そんなことを考えつつぼんやりしていると。
 「入浴の準備、出来ました」
 と、なのはが顔を出した。

 「ん……はぁ」
 湯船の中で、思い切り伸びをして一息。
 家に帰ったら、やっぱりこれだよね。
 大きめの湯船にこだわってよかった瞬間だ。
 出張から帰ってのお風呂は、やっぱりいいもんだね。
 いつものお風呂ももちろんいいんだけど。
 それにしても。
 「どうしようかなぁ」
 なのはのことだ。
 はやて曰く、私がどうしようもなさそうな顔で悩んでいたらなのは関連らしい。
 そんな分かりやすいつもりはないのだけれど。
 それはさておき。
 「むぅ……」
 とりあえず問題はなさそうだから、シャマルに相談しつつ様子見ってことになりそう。
 でも問題はそっちじゃなくて。
 「私、もつんだろうか……?」
 いつだってなのはかわいいな、かわいいなと思いながら、友達だからってずっと我慢してきたんだよ?
 かわいいのにかっこいいなってドキドキさせられたり。
 急に顔を近づけられて心臓が爆発しそうになったり。
 なのはは時々、すごく無防備だから困る。
 それが、ご主人さまって。
 無防備にもほどがあるっていうか、何でもしてくれるって、まずいでしょこれ。
 フェイトさんの理性、とんじゃう。
 って、いやいやいやいや。
 「平常心、平常心」
 シグナムも言ってた。
 平常心が大事だって。
 「ご主人さま」
 平常心。
 「ん?
  どうしたの、なのは?」
 「お背中、お流しさせていただいてもよろしいでしょうか」
 ガチャリ
 へーいじょーしーん!?
 そこにはTシャツと短パン姿に髪を結んだなのはが。
 いやまずいでしょ。
 濡れTシャツなのはとか、すっごくまずいでしょ。
 「いや、なのは、その恰好は……」
 「やはり、服を身に着けたままというのはよくなかったでしょうか。
  ……ご主人さまがそうおっしゃられるのでしたら、脱ぎますね」
 なーのはさーん!?
 なんて躊躇のない、いい脱ぎっぷり。
 あら、ブラしていなかったんですね。
 そうですよね、濡れますもんね。
 相変わらず、美しい形をしていらっしゃる。
 って、短パンにも手をかけないで!
 あ、さすがにそちらの下着は着けてらしたのですね。
 まって!
 まってそれ以上は!
 「私もうでるね!」
 「あ、ご主人さま……!」
 思春期の男子か、私は……。
 情けない。
 ぐすん。

 「あの、ご主人さま」
 「あ、なのは……その、なんか、ごめんね。
  別になのはが嫌だったとかそんなわけじゃなくてね」
 「私は、ご主人さまのお役には立てないのでしょうか」
 「え、なのは?」
 「お役に立てないのでは、私はご主人さまのおそばにいるわけにはいきません」
 「私はね、なのは。
  なのはが役に立つとか立たないとか、そんなことを気にして一緒にいたいんじゃないんだ」
 「では、なぜですか」
 「とも……」
 友達だから、そう口に出そうとして、私は言いよどんだ。
 友達だから、一緒にいたい。
 それは紛う事なき本心で。
 でも。
 それだけじゃない。
 ……シャマルはこうなっている間の記憶は元に戻ったら忘れてるって言ってたし。
 我ながら情けない言い訳とともに、でも。
 「好きだからだよ」
 ずっと言いたかったことを、口にした。
 「……好き?」
 「私はね、なのは。
  なのはが好きだから、友達としてもそうだけど、でも、それだけじゃなくて。
  きっと、私はなのはと恋人になりたい。
  それくらい好きだから。
  だから、私はなのはと一緒にいたいんだ」
 「フェイトちゃん……」
 「だからね、なのは……って、ん?
  “フェイトちゃん”?」
 「あ」
 なのはが『しまった』って顔をする。
 これはもしかして。
 いや、もしかしなくても。
 「私を嵌めたね?
  なのは」
 「あわわ、あの、その!」
 「なのはが私を騙そうとしてたなんて、考えもしなかったな」
 「騙すなんて、そんなつもりじゃなかったの!」
 「じゃあ、なに?」
 「えっと……」
 「はやての言葉に、つい乗せられちゃった?」
 「うん……ふぇ!?」
 「はーやーてー!」
 「あわわわわわ、フェイトちゃーん!
  待って―!」



 「いやまぁ、なのはちゃんから
  『フェイトちゃんが私を好きみたいなんだけど、ヘタレてて告白してくれない。どうしよう』
  なんて相談されたらな、やるしかないやん?」
 「シャマルたちを巻き込んで?」
 「私らは一蓮托生やから。
  ところでフェイトちゃん、そろそろ首筋にあたっとるバルディッシュ、待機モードに戻してくれへんかな?」
 「……はぁ、まったく」
 「はぁ……は、こっちのセリフやで。
  いったい何年一緒におんねん。
  あたしらもアリサちゃんらも、とうの昔に告白して付きおうとんねやと思っとったわ」
 「いや、まぁ、その……大事なことじゃない?」
 「大事なことやから、や」
 「断られたり、気持ち悪がられたらどうしよう、とか、思っちゃうじゃない。
  そしたら、もう友達でもいられなくなるんだよ?」
 「ん……まぁ、それはそうやけど。
  特に最近のなのはちゃん見てて、断られるとか、ありえんわーってのが、外野の意見やけどな」
 「う……そう、なんだ」
 「と、言うわけで、フェイトちゃん」
 「なに?」
 「もう答えの出とることやけど、言うこと、あるやろ?」
 「え?」
 「え?やのうて。
  なのはちゃんに、言うこと、あるやろ?」
 「あ、うん……。
  なのは」
 「は、はい!」
 「私、なのはのことが――好き、なんだ。
  だから……付きあってほしい」
 「……」
 「なのは……」
 「フェイトちゃんの……バカ!」
 「わ、なのは!?」
 「バカバカバカバカ!」
 いつの間にかなのはは握りこぶしで、軽い力とはいえ私を叩いてくる。
 うん、なのはの照れ隠しだ。
 ぽかぽかと私を叩いて、そして、なのはは。
 「――だいすき」
 そう、言った。
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