Empty Dumpty
ヒトもすなるぶろぐといふものを、私もしてみむとてするなり。 徒然なるままに文章を書いてみるつもりです。
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私は、そう、
手探りで歩く
散歩道。

こんばんは
フェルゼです。

えーっと
なんか変なカテゴリが一個増えてるぞーってことなんですが。
今更手を出してみました。
ストライクウィッチーズはエイラーニャ。
何で今になって、とか
なのはものとかどうすんだよ、とか
部屋の中がにんにく臭い、とか
色々仰りたいことはあるでしょうが、まぁここは一ついつもの気まぐれだと思って。

というわけで、今回更新はカテゴリストライクW。
エイラさんとサーニャさんが登場されます。
――本当は小説とか全部読んで設定を練るべきなんでしょうけれども、残念ながら、私の範囲はとても狭いので。
おかしいところがあれば、ご指摘いただければと思います。
お付き合いいただける方は、以下からどうぞ。


 「サーニャに、似合うかと思ってさ」
 帰ってきた彼女は、そう言って照れくさそうに笑った。



 私は、そう、



 静かな、夜。
 人類が、終末をかけて戦っているなんてこの夜のどこにも感じられない。
 けれども、もしも今私の固有魔法を使えば、すぐに理解できてしまうだろう。
 遥かに遠く、ネウロイと交戦しているウィッチたちの声が届くから。
 戦局は膠着してきたという話もあるけれど、人類側の不利に違いはない。
 以前のものと比べると少しだけ固く感じるベッドに仰向けになって考える。
 そんな中、私はこんなことをしていていいんだろうか。
 それは、幾度となく繰り返した自問だった。
 私の答えはいつも同じ。
 『わからない』 
 ずっと前から、そうしたいと考えていた。
 口にしてしまったのは彼女の前だったけれど。
 『離れてしまった家族を、探したい』と。
 そう、何度も心の中で呟いてきた。
 何度も、何度も、深い闇を切り裂いて飛びながら。
 戦いの日々の中、私自身が、それを忘れてしまわないように。
 けれども、実際にこうしてそれが叶ってしまうと、分からなくなる。
 私が、私たちが、こうして空から降りてただ、私の家族を探しているということ。
 それは、とてもいけないことじゃないの?
 私たちはまだ飛べるのに。
 空の英雄の一人、ダイヤのエースまでも巻き込んだ、私のただのわがまま。
 そうして、私は分からなくなって、眠った姿勢のままでギュッと体を丸める。
 隣で眠る彼女に気づかれないように。
 なのに。
 「大丈夫だよ、サーニャ」 
 暖かな温度に包み込まれたと、そう感じると同時に回された腕が、頭を撫でてくれる。
 温度以上に暖かな声が、心までギュッて、包んでくれる。
 さっきまで私の隣で寝息を立てていたはずのひと。
 「大丈夫。
  大丈夫だよ、サーニャ」 
 繰り返される声と、腕の動き。
 抱きしめられたのが後ろからでよかった。
 泣いてる顔なんて見せたら、彼女はきっと慌ててしまうから。
 私が戦っている小さくない理由になってしまった彼女は、私の涙に弱いのだ。
 「……おやすみなさい、エイラ」 
 涙をシーツに吸わせてから、私は体を反転させた。
 すっぽりと彼女の腕の中に納まる。
 「おやすみ、サーニャ。
  今日は少し、甘えたダナ」
 クツクツという小さな笑い声を聞きながら、私はゆっくりと意識を手放していった。




 そんな、私の同行者でダイヤのエースでもあるところの彼女は今、食料の買い出しに行っている。
 重いものもあるだろうから私も一緒に行くと言ったのだけれど、断られてしまった。
 彼女は、私を過剰なくらいに女の子扱いする。
 私だって、魔女なのに。
 「ただいま、サーニャ」
 玄関の戸の向こうから彼女の声。
 思わず反応して飛び出してしまった耳と尻尾を収めて、戸を開けた。 
 「お帰り、エイラ」
 大きな紙袋を二つ、両手に抱えてエイラが帰ってきた。
 「たくさん買ったのね」
 「次はいつまともな買い物ができるかわからないからな。
  缶詰とか、買ってきた」
 「ニシンの?」
 「それは勘弁だナー」
 苦い笑いを浮かべつつ、エイラが荷物をテーブルに置く。
 と、クシャリと傾いた紙袋の一番上から、小さな袋が転がり落ちた。
 「どうしたの、それ?」
 「あ、えっと、うん……」
 慌てて拾い上げるエイラに尋ねれば、頬を赤くしてキョロキョロと……あちこちを見るふりをして、私を見ているの。
 気づかないって、思ってるの?
 「えっと……サーニャに、似合うと思って」
 「私に?」
 差し出された小袋を受け取って、エイラを見る。
 開けてごらん、そう言うようにエイラが頷いた。
 細かく折りたたまれた袋の口を開ける。
 そっと傾けるとさらりと音がして、きらきら光るものが私の掌に滑り落ちてきた。
 シンプルな作りのペンダント。
 持ち上げれば、六角形のペンダントトップが揺れる。
 これは……
 「雪の結晶?」
 「そうだよ。
  サーニャも見たことあるだろ?」
 「うん」
 「サーニャにさ、よく似てると思ったんだ。
  繊細で、儚くて、透明で……綺麗で」
 ペンダントを手にする私のほうに顔を向けたまま、エイラはどこか夢見るように言葉を紡ぐ。
 「エイラ……?」
 その視線が、私ではない遠くを見ているようで。
 エイラが見ているのは、本当の私ではない、とても綺麗な私のようで。
 エイラ、私はそんなに、綺麗じゃないわ。
 だから、私はエイラの名を呼んだ。
 「ねぇ、エイラ」
 私は、ここよ。
 「サーニャに……サーニャ……さ、サーニャ!?」
 二度目の呼びかけでようやく我に返ったらしいエイラは、私が目の前にいるということも忘れていたらしい。
 なんて酷い話だろう。
 「私がいること、忘れていたの?」
 「そ、そんなことは無いゾ!
  私がサーニャのこと忘れるはずなんてないからな!」
 「じゃあ、さっきはなんて言っていたの?」
 「さ、さっき……って、なんだ?」
 「雪の結晶が私に似てるって言った、そのあと。
  よく聞こえなかったの。
  私がここで聞いていることを知っていて、それで話していたのよね?
  私に聞かせてくれていたのよね?
  もう一度、教えて?」
 「いや、えっと……」
 「教えて」
 「その、ダナ……」
 ズイと顔を寄せれば、とたんに弱腰になってしまう。
 そんな可愛い私のエース。
 「せ、せんさ……」
 「センサー?」
 「あ、わ、や、やっぱり忘れた……んダ!」
 真っ赤にして後ずさって、エイラは逃げる準備万全ね。
 さすが完全回避のエース。
 でも、逃がさないわ。
 「忘れたのなら、仕方ないよね。
  ねぇ、エイラ。
  せっかくエイラが買ってきてくれたんだもの。
  付けてちょうだい?」
 「え、つけ……あぅ」
 「ね……つけて、エイラ」
 ペンダントを渡すと、流石のエイラも大人しくなった。
 「うん……」
 私の後ろに回ろうとしたエイラの、裾を引いて呼び止める。
 「違うわ、エイラ」
 「違うって、サーニャ?」
 「後ろからじゃなくて」
 そういって私は、エイラが正面に来るように体の向きを変えた。
 「サ、ササササーニャ!?」
 「付けて、エイラ」
 ゴクリ、エイラの喉が動いたのが見えた。
 それから、私より背の高い彼女は少し屈んで、私と目線を合わせて。
 頬と頬が触れ合う距離に近づく。
 こういうアクセサリーに慣れていないのか、エイラは何度も留金をかけ損ねて、そのたびに私に触れる部分が熱くなる。
 チ、チ、チ……カシャ。
 金属の擦れる音がして、エイラの手という支えを失ったペンダントトップが私の胸で揺れた。 
 「ありがとう、エイラ」
 うかうかしていると飛び跳ねるように離れてしまうエイラが離れてしまわないように、エイラの目をじっと見る。
 ゴクリと息を呑んだエイラは、大きく深呼吸をして。
 そして、ゆったりと、私に微笑んだ。
 もう、大丈夫かな?
 私はエイラの頬に片手を添えて、目を閉じて。
 そして、私は待つ。 
 「どういたしまして、なんだナ……」
 唇に降る、柔らかなキスを。

 でも結局それは、私の額に降りてきたのだけれど。
 道はまだまだ遠そうね、エイラ。






 

 
 
 
 いつか、いつかこの戦いから離れることができた時。
 サーニャには、笑ってほしいと思う。
 心から、笑ってほしいと思うんだ。
 だって、サーニャは女の子なんだから。
 サーニャの白い手は、小さな手は本当はあんな大きな武器を振り回すためにあるんじゃないんだ。
 もっと優しくて、きれいで、そんなサーニャが望むことのためにある手なんだ。
 サーニャが愛していて、愛してやれるものに触れて、愛してやれる人と繋ぐための手なんだ。
 私は、それを叶えたいんだ。
 それはもう、私の希望なんだ。
 だから、そのためには私はなんだってしよう。
 サーニャの両親を探すことも。
 サーニャの世界を脅かすものを少しでも減らすために、戦うことも。
 私にできるすべてで、サーニャを守るから。
 だから。
 いつか、戦いから離れることができるようになった時、サーニャには笑っていてほしいんだ。
 心からの、幸せな笑みをどうか。
 この世界のどこかで、サーニャが浮かべていられますように。
 私は、そう、願う。




 いつか、いつかこの戦いから離れることができたら。
 私は笑えるだろうか。
 笑える私でいたいと、そう思う。
 今みたいにどこか遠慮をしてしまう笑い方じゃ、なくて。
 笑いかけたい人に、思い切り笑いかけることができるような。
 心からの笑顔を向けることができるような。
 そして、その時隣には彼女がいなくてはいけない。
 私はいつか、エイラの隣で笑う。
 エイラに、笑いかける。
 心の底から笑うんだ。
 ペンダントトップを握って、その感触を掌に感じながら。
 私は、そう、決めた。
 
 
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