Empty Dumpty
ヒトもすなるぶろぐといふものを、私もしてみむとてするなり。 徒然なるままに文章を書いてみるつもりです。
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The Garden of 1
今はただ、
こうしていられることが満足。

こんばんは
フェルゼです。

“こう”と言っても、特に何もしてないんですけどね。
無為なるかな、無為なるかな。

さて、今回更新はカテゴリリリカル。
なのはさんとフェイトさんのパラレルです。
3から4くらいで終わるかと。
お付き合いいただける方は、以下からどうぞ。

 なのはの楽しかった記憶を辿ると、そのほとんどに彼女がいた。
 「なのは。
  彼女はフェイト・テスタロッサ。
  ゆくゆくはなのはの世話係をしてもらうつもりだ」
 「よろしくお願いします。
  お嬢様」
 歳は自分と同じだと聞いていた。
 お辞儀をして、にこりと笑ったその顔がなぜか、いつまでもなのはの脳裏に焼き付いていた。




 The Garden of




 なのはの回りには人がたくさんいた。
 若い人、老いた人。
 男の人、女の人。
 強い人、器用な人、頭のいい人。
 いろんな人がいた。
 ただ、同じ位の年の女の子だけがいなかった。
 友達が、欲しかった。
 一度だけ、他の会話に紛れてしまったその言葉をなのはの父は覚えていたのだろう。
 ある日、彼女がなのはのもとにやってきた。
 その時のなのはは気がつかなかったけれども、あんな歳で一人、別のうちに来るなんておかしな話だ。
 父は何も言わなかったし、彼女も自身のそれまでについて言及することがなかったから、なのはは何も気にしていなかった。
 何も知らないままでいられたことは、誰にとっても幸いだった。
 なのははなのはのままでいられたのだから。
 フェイトは、フェイトのままでいられたのだから。

 だからそれは、全てが満たされた無邪気な日常だった。

 「フェイトちゃんフェイトちゃん、こっちこっち!」
 駆け出して行ったと思ったらまた駆け戻ってきて。
 そうしてなのははフェイトの腕を引いた。
 「ど、どうされたのですか?」
 引かれるがままに走るフェイトが、慌てたように声をかける。
 「あのね、あのね、フェイトちゃんに見せたいの!」
 「何を見せてくださるんです?」
 「きれいなお花!」
 そう言って、もう一度なのはがフェイトの腕を引っ張る。
 「そんなに急がなくても大丈夫ですよ」
 更に速度を増そうとするなのはに、フェイトは前にのめりそうになる体を支える。
 徐々に速度をあわせていく。
 「だって、少しでも早くフェイトちゃんに見せたいんだもん!」
 振り向いて笑ったなのはの表情に、フェイトの鼓動がリズムを上げた。
 「わかりました……。
  それで、その場所は?」
 「あの丘を越えて、三本目と四本目の木のあいだ!」
 「では……参りましょう!」
 告げて、フェイトがグンと速度を上げた。
 元よりなのはよりも運動は得意だった。
 「フェ、フェイトちゃ……きゃっ!?」
 なのはを追い抜きざま、その体を抱え上げる。
 「しっかりつかまっていて下さいね」
 「うん!」
 フェイトの首を引き寄せるようになのはが腕をまわして。
 その体が安定したことを確かめて、フェイトは強く地面を蹴った。
 フェイトの視線は、なのはの告げた目的地へ。
 なのはの視線は、抱き締めてくれる彼女へ。
 その頬は、運動したからだけではない理由で、色を深めていた。
 

 なのははフェイトと共にいることが好きだった。
 一緒に話をして、笑ってくれる彼女。
 すごく、嬉しかった。
 戯れに抱きつくと、驚きつつも抱き返してくれる彼女。
 すごく、温かかった。
 だから、ずっと一緒にいたいと思っていた。
 ずっと一緒にいられると思っていた。
 この日々はずっと続いていくものなのだと。

 この地の領主である「高町」のただの末娘であるなのはと、その世話係であるフェイトでいられると。
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