Empty Dumpty
ヒトもすなるぶろぐといふものを、私もしてみむとてするなり。 徒然なるままに文章を書いてみるつもりです。
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The T 16
続けること
やめること

こんばんは
フェルゼです。

そろそろ、かな。

今回更新もカテゴリリリカル。
前回の続きです。
お付き合いいただける片は、以下からどうぞ。



 冷たい汗が、背中を伝っていく。
 その感覚に、なのはは小さく身震いした。
 基礎は習った。
 だが、実地の捜査、それも尾行などのスキルは現職にはとても及ぶものじゃないことくらい、認識している。
 それでも、ナブラとベリルの組織の人間……ベリル自身を含む数人という組み合わせは、見逃すわけには行かなかった。
 連絡は入れてある。
 あとは、捜査員が到着するまで見失わなければ。
 少し前の角を曲がっていく。
 追わなければ。
 姿勢を少し低くして、なのはは足を速めた。
 古びた配管から漏れた水が、建物の際を色濃くしている。
 水溜りには近づかないように、目立たないように。
 なのはは濡れた地面と陰との境に視線を落とした。
 大丈夫。
 まだ気づかれてはいない。
 その様子はない。
 けれども、こういったことについては相手のほうが手馴れているかもしれない。
 油断すればいつ――
 トン
 その肩を、何者かが叩いた。
 心臓が跳ねた。
 到着の連絡は受けていない。
 身構えつつ、振り返る――前に、衝撃が走った。
 あ、と言う間もなく体から力が抜ける。
 立っていられない。
 崩れる刹那、目にしたのは確かに、ルクレチアと名乗った彼女と、その手にある黒い。
 (スタン、ガン……)
 膝が地面にぶつかるその前に、なのはの意識は途切れた。
 


 「う、ん……」
 霞みがかった思考を振り払う。
 軽く頭を振って、そして、体が動かないことに気づいた。
 そう、スンタンガンを受けて!
 「お目覚めですか」
 ふざけたほどに慇懃な男の声。
 はっきりしてきた視界の中には、ベリルをはじめとした数人の男とルクレチア。
 後ろでは、ナブラがいすに縛り付けられているのが見えた。
 とすれば、ナブラはベリルの側ではなかったのか。
 いや、そんなことはどうでもいい。
 「あなたたちがフェイトちゃんを……!」
 睨み付けるなのはの視線を受け流して、ベリルは器用に片方の眉を上げて見せた。
 「消せれるもんなら消したかったがね。
  どっかの誰かに取られちまったよ。
  まぁ、御陰でこっちは清々したわけだがな。
  後はてめぇだけだぜ?
  高町教導官どの」
 ルクレチアの構えた銃が、なのはを捉える。
 動けないなのはを、照準の中心に据えて。
 「あの事件についてならいくら嗅ぎまわって貰おうが痛くも痒くもないが、それ以外にまで話が及ぶとなればそうも言ってられないんでね。
  悪く思わんでくれよ――ルクレチア」
 ルクレチアが小さく頷き。
 銃声が、二つ。
 響いた。
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