Empty Dumpty
ヒトもすなるぶろぐといふものを、私もしてみむとてするなり。 徒然なるままに文章を書いてみるつもりです。
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The T 15
あなたはそこにいますか?
わたしはどこにいますか?

こんばんは
フェルゼです。

意味のあるような、ないような。
ないのかな。

今回更新はカテゴリリリカル。
続きです。
お付き合いいただける片は、以下からどうぞ。

 「最近のクロノ君は、サービスがいいね。
  今日はどこへ連れてってくれるの?」
 「ん、まぁ、たまには街を離れてみるのもいいかと思ってね」
 「思って?」
 「牧場見学、というところかな」
 「へえぇ。
  そんな当てがあったんだ」
 「まぁ、僕にもいろんな知り合いがいるんだよ」
 情報の提供元が総菜屋の店主であることは、クロノは黙っておくことにした。
 当時のことを話せば、余計な気を遣わせることになりかねない。
 
 既に話は通してあったため、オーナーに挨拶を済ますと二人勝手に見てまわることにした。
 いつか見たような牧歌的な風景が広がる。
 「大きいねぇ、ここ」
 「個人経営ではないからね。
  時期によっては、ツアーにも組み込まれるらしい」
 「そうなんだ。
  ねぇクロノ君。
  あっちの建物は?」
 エイミィが、遠くに見える大きな建物をさした。
 「あぁ、処理工場だ」
 「処理って……あぁ、そうか。
  なかなかエグイところを選んだね、クロノ君は」
 「現実ってやつだよ。
  少し、ここら辺を散歩しててくれないか?」
 「いいけど、クロノ君は?」
 「僕はちょっと工場に行ってくる」
 「食肉処理に興味あるの?」
 「そんなんじゃないさ。
  いや、そうなるのか」
 「どっちだよ」
 「生命の尊さを見てくると思ってくれ」
 「なにそれ」
 エイミィが吹きだした。
 「じゃあ私は私で、生きてる方の尊さを見てくるよ」
 「あぁ、すまない。
  一時間ほどしたら合流できると思う。
  そうしたら丘の方にも行ってみようか」
 「いいねぇ」
  
 草、木、花。
 鳥、虫、動物達。
 目に映る範囲に足を向けていれば、一時間はあっという間に過ぎた。
 「あら、クロノ君の方が早かったか」
 「いや、ちょうど来たところだよ」
 「いいね、気の遣える男の子はもてるよ」
 「妻のいる身でもててもなぁ……」
 「そういってくれてるうちは、こっちも安心かな。
  ところで」
 「うん?」
 「何だか、さっきよりも随分すっきりした顔してるね」
 「そうか?」
 「そうだよ。
  なんていうのかな、心配事が一個片付いた、みたいな」
 「うん、まぁ、そうかな。
  そうかもしれない」
 「ふぅん、そっか。
  よくわかんないけどさ、それがクロノ君にとって良い事なら、よかった」
 「きっと、誰にとってもいいことだよ」
 「それは、なおのことよかった」
 「まったくだ。
  じゃあ、丘の方へ行ってみようか」
 「うん」
 たくさんのものが生きている。
 そんな週末のこと。
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