Empty Dumpty
ヒトもすなるぶろぐといふものを、私もしてみむとてするなり。 徒然なるままに文章を書いてみるつもりです。
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うそつき
ツクリモノの表情は品切れで
お客さん、今日は閉店ですよ。

こんばんは
フェルゼです。

エイプリルフールだってことで、
ブログ閉鎖します!嘘です!
みたいなことでもやろうかと思っていたのですが、
嘘から出た真になりそうになったのでやめときます。

言霊ってヤツ。

さて、今回更新はカテゴリリリカル。
今までのどれとも関係ない短編です。
なのはさんが嘘をついているお話。
自分の中から引きずり出してみたらこうなったんですけど
なんだこれ。
お付き合いいただける方は、以下からどうぞ。
 隣で人が起き上がるのが分かった。
 私は動かない。
 起き上がった気配はそのままで、その人も動かない。
 私は想像する。
 深い色を湛えた紅が私を見下ろしているのを。
 それは確認するまでもなく、今の現実だろう。
 秒針を刻む時計などないこの部屋は、灰色の静寂に落ちている。
 その人の呼吸に合わせて微かに擦れた寝具と寝間着が、乾いた音を立てた。
 動かない、誰も。
 遠くで車が走り去っていった。
 一旦切り裂かれた静寂が、繕うように閉じられていく。
 私は横になったまま、一つ一つの縫い目をイメージしていく。
 全てが繕い終わるのと、その人が動くのとが同時だった。
 私の向こう側に手をついて、ゆっくりと覆い被さる。
 私は動かない。
 その唇が、頬に触れた。
 私は動かない。
 ただ、泣きたくなった。
 
 「好きだよ、なのは。
  ずっと一緒だ」

 いつもと同じ言葉を耳元に残して、その人は寝室から出ていった。
 私は耳をそばだて続ける。
 身だしなみを整える為の諸々の音がする。
 控え目なそれらの音もやがては遠ざかって、扉のしまる音と共に澱んだ静寂が戻った。
 降り積もるキスの重みが、私をベッドに押し付ける。
 薄く目を開いて、藍に似た夜を見つめた。
 玄関ホールのドアが開く音まで聞こえる気がする。
 そんなはずはないのだけれど。
 やがて、聞き慣れた深く重い音が静寂を再び綻ばせて走り去って行った。
 その綻びに手を掛けるようにして、私は身を起こした。
 今なら彼女のキスの重みを忘れることができそうだと思った。
 口付けられた頬の感触も、囁かれた耳元の熱も、全て。
 涙が洗い流してくれる気がした。
 
 「本当はね、私ね」
 フェイトちゃんの嘘に、気付いているよ。
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2012/04/26 (木) 20:22:22 | | #[ 編集]
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