Empty Dumpty
ヒトもすなるぶろぐといふものを、私もしてみむとてするなり。 徒然なるままに文章を書いてみるつもりです。
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やまない
終わりたいのに
終われない。

こんばんは
フェルゼです。

いつぞや発売されるというルカさんのフィギュアを見たとたんに、こう、ミクさんには申し訳ない方向の電流が走ったので。

そんなこんなで、今回更新はカテゴリVOCALOID。
お付き合いいただける方は、以下からどうぞ。


 キン、コーン
 返事無し。
 キンコーン
 ……応答なし。
 ミクは留守なのだろうか?
 この時間に行くと伝えたのに。
 ――仕方ない。
 上がらせてもらおう。
 ぶらついて時間をつぶすのは面倒だし、こういう時の為に合鍵を交換しているわけだし。
 バックからキーホルダーを取り出して、自分の部屋の鍵の隣にぶら下がっているそれを目の前のドアに差し込んだ。
 風もないことはないのだが、この日差しでは気休めにもならない。
 早く入ろう。
 暑くて敵わない。
 そしてエアコンをつけよう。
 ドアを開けるとそこには。
 「あら?」
 ミクの靴があった。
 涼しい空気も流れてきて、空調が効いていることが分かる。
 チェーンは掛かっていなかったけれども、いるのかしら。
 「ミク、いるの?」
 リビングへと通じるドアを開けて。
 「ヒッ!?」
 そして私は後悔した。
 ちなみに、今の素っ頓狂な声はミクが発したものであって、決して私ではない。
 まぁ、内心では似たような叫びを発していたけれども。
 そう、ミクが叫んだのだ。
 ミクはいた。
 リビングのガラステーブルを下から覗き込んでいた。
 いや、テーブルを覗きこんでいるんじゃないんだろう、きっと。
 その上には見覚えのある姿があって、それを覗きこんでいる。
 「ミク……」
 そこに在るのは、先日発売されたという私を模したフィギュアだった。
 「ルカちゃん!?
  こ、これは何て言うかその一時の気の迷いと言うか若気の至りと言うか青春の熱き迸りとでも呼ぶべき衝動がこう私の体を貫いてその瞬間に天啓が私の脳裏に響き渡ってそれに抗うことなく従ったことによ」
 「さようなら、ミク」
 「待ってぇ―! ルカちゃん待ってぇぇぇぇ!!」
 仰向けになっていたミクが腹這いに返って私の足を掴んだ。
 なにこのホラー。

 その後、縋りつくミクがどうやら私のスカートの下を覗こうとしているという事実に気付いたので踏みつけたら大人しくなった。
 今は目の前で正座している。 
 「こんな使い方するなら、没収します」
 私の人形を手に取った。
 うわ、なんかヌルっとする。
 「お願い待ってぇこっちの私のフィギュアあげるからぁ!」
 「あなた、自分のフィギュア持ってどうするのよ」
 「え?
  私のを持って、こう」
 どこからか取り出された以前に発売された私のフィギュアと、自分のそれを重ねて、床に……。
 「私がルカちゃんを押し倒すシュミレーションを」
 「私の愛したあなたはもういないのね」
 「いるからぁぁぁ!
  ルカちゃんの目の前に、ルカちゃんが愛してやまないミクちゃんがいるからぁぁぁ!!」
 そう言って縋りつくミクはどうやら私のスカートの(以下略
 
 「まったく、こんなもの使って変な妄想するくらいだったら、本人に直接言えばいいじゃない」
 「え、じゃあ言えば私にも攻めさせてくれたの!?」
 「……時と場合と雰囲気に因るわね」
 「がんばるよ!
  じゃあルカちゃん押し倒していい?」
 「早急ねぇ。
  その前に、その人形片付けなさいよ」
 「うん……ルカちゃんはさ、こんなことしないの?」
 フィギュアを持って、定位置なのだろう、ソファの後ろにある戸棚の上にミクが手を伸ばしている。
 「しないわよ」
 完全に背中を向けてしまったミクの短いスカートが、ちらりと揺れた。
 「なんで?」
 ……ふむ。
 「なんでって、したいと思ったら実際に本人にすればいいんだもの」
 フィギュアを置いて振り返る直前のミクの背中に圧し掛かった。
 のそりとな。
 「わ、ルカちゃん!?」
 急に乗っかった私の重さも加わって、ミクはソファにずり落ちた。
 もちろん、私の下。
 「じゃ、するわよ」
 「え、ちょっと待って!
  さっきまでの流れって、私がルカちゃんに対して攻めに回るっていう夢のシチュエーションがようやく叶うドリームコースだったんじゃ」
 「そんな夢は、私が帰った後で一人で見てなさい。
  今は私の手でいい夢を見させてあげるわ」
 「ルカちゃんが三文小説のようなセリフで攻めてくる―!?」
 「何よ、文句あるの?」
 「ムードがないよ、ムードが」
 「いいわよ、そんなものすぐに気にならなくなるから」
 「せめて明かり!
  明かり消して―!」
 「ごめんなさい、もう無理ね」
 「なんでー!」
 「愛してやまないあなただもの」
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