Empty Dumpty
ヒトもすなるぶろぐといふものを、私もしてみむとてするなり。 徒然なるままに文章を書いてみるつもりです。
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The T 2
問題は、
私たちはそれに値する存在なのかということだ。

こんばんは
フェルゼです。

値しないからといって諦めるかというと、
そんな潔のよい性格でもないのですけれども。

さて、今回更新はカテゴリリリカルThe T。
ごく短い、文章。
お付き合いいただける方は、以下からどうぞ。

 


 全ての物事に意味があるなんてことは考えていないが、これにも意味はないのだろうか。
 現場へと向かう車両の中で、腕を組んで目を閉じていたクロノはそう脳裏で呟いてから目を開けた。
 別の捜査で主だった捜査員は出払っていて、その忌まわしき通報を受け取った新米の捜査員は、たまたまそこに居合わせていたクロノ・ハラオウンに、かつては執務官として勤務していた彼に、その対応を尋ねた。
 発見。
 通報。
 出動。
 初動のそれは重要であり、そこから引き続く一貫した情報の流れもまた、事件の解決には必要とされる。
 だから、既に提督としての任を持つクロノが担当することはない。
 するべきではなかった。
 けれども通報内容の参考資料にあった名前が、彼を動かさざるを得なくした。
 通報を受け取った際、責任をもって指揮できる立場の人間がいない時のマニュアルは、もちろん存在している。
 だから、本当ならばクロノは尋ねてきた捜査員にそのマニュアルの事を説明し、然るべき措置を取るよう伝えればそれですんだのだ。
 なのに、その内容に目を通してしまった。
 すでに部署としては外部の人間にもかかわらず、だ。
 「その結果が、この有り様か」
 たまたま、主だった面々が出払っていた捜査員。
 たまたま、足を向けたかつての職場。
 たまたま、処理を彼に委ねられた通報内容。
 偶然は、望みもしない時にやってくる。
 望みもしない内容で。
 「クロノ・ハラオウン提督」
 ナビゲートを担当していた捜査員がクロノに声をかけた。
 「今は執務官でいい」
 「はっ!
  では、クロノ・ハラオウン執務官、そろそろ到着します」
 「そうか」
 窓の外に目を向ける。
 崩れかけた倉庫に、住所表示用の看板がかかっているのが見えた。
 通過したのは一瞬。
 クロノにははっきり見えていた。
 “フロイム”
 赤黒い、干乾びた血の様な文字。
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