Empty Dumpty
ヒトもすなるぶろぐといふものを、私もしてみむとてするなり。 徒然なるままに文章を書いてみるつもりです。
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常備薬
西洋風のドレスを着るのに必要なのは
バストサイズだとこんちくしょう

こんばんは
フェルゼです。

ぶらりと散歩に行った百貨店で、
地下一階の食品売り場で、
ドレスを着た女性を見ました。
きっとゴスロリとかそういうんじゃなくて、ドレス。
そして、その時唐突に私は気付いたのです。
あぁ、バストサイズが。

さて、今回更新はカテゴリリリカル。
なのはさんが怪我をしちゃったお話。
とっても健全です。
お付き合いいただける方は、以下からどうぞ。



 
 「いたっ……!」



 常備薬



 フェイトが出張から帰ってきた日、珍しく午前中に帰ってきたその日は、当然ながら直帰はできず、職場に行くことになった。
 そして、当然ながらなのはと連絡を取り合い、その日の昼食は二人でとることになった。
 昼食時の混雑を見せる管理局の廊下。
 一人の小柄な女性職員と擦れ違う直前、彼女が何かに躓いて、なのはに軽くぶつかった。
 「あ、すみませんでした……高町教導官!?」
 何気なく謝った彼女が、その相手に気がついて語尾が跳ね上がった。
 不要なほどに、と言いたくなる勢いでの謝罪が始まった。
 彼女から見てなのはは如何せん有名人であるし、実は密かな憧れの相手でもあった。
 隣にいるのがこれまた密かな憧れの相手であるハラオウン執務官であったことも、彼女から冷静さを奪っていた。
 もしもここにもう一人、八神はやてがいたら、彼女のメーターは振り切れていただろう。
 数分かけて女性職員を宥め、幾度も振り返りつ去って行く彼女を見送ってから苦笑いと共にフェイトを見たなのはの目に映ったのは、心配げな、それでいてどこか怒ったような表情のフェイト。
 あちゃー……なのはが声に出さずに呟く。
 どんなに小さな呻きでも、フェイトはやはり聞き逃してはいなかった。
 女性がなのはにぶつかった時の、なのはの小さな小さな呻きでも。

 「じゃあ私は行くけど、ちゃんと医務室に行くんだよ。
  いいね、なのは」
 食事を終えた後、使える昼休みの時間の全てを使ってなのはに医務室に行くよう説得したフェイト。
 午後は一緒に書類整理、といった仕事であれば無理にでもフェイト自身がなのはを引きずってでも医務室に連れて行ったであろうが、書類仕事はなのはだけで、フェイトは出張に伴う報告に行かねばならなかった。
 「うん、分かった、分かったからフェイトちゃん、行ってらっしゃい」
 ともすれば、昼休み中の医務室になのはを担ぎ込みかねない勢いのフェイトの背を押すようにして食堂から出て、なのははフェイトに手を振った。

 その夜。
 少し遅くなったフェイトは、部屋の前で一旦動きを止めてから、そっと、音がしないように扉を開けた。
 「ただいまー」
 呟いて、足音を殺したまま廊下を進む。
 目的地は、灯りが漏れている寝室。
 「ただいま、なのは」
 急に姿を現したフェイトに目を丸くしてから、ベッドに腰掛けていたなのはが慌てて何かを背中に隠した。
 「お、お帰りフェイトちゃん」
 そのままなのはの元へと歩み寄るフェイト。
 「あ、あれフェイトちゃん。
  制服ちゃんと掛けないと、しわになっちゃうよ」
 わたわたとするなのはの言葉に足を止めることなく、フェイトはなのはの前に立った。
 「なのは」
 「えっと、何、かな?」
 引きつった笑みを浮かべながら首をかしげたなのはを、フェイトは片腕で抱き寄せた。
 「きゃっ!? フェイトちゃん?」
 小さく眉をひそめたなのはの表情は、フェイトからは見えない。
 小さく眉をひそめたフェイトの表情は、なのはからは見えない。
 「なのは、医務室、行かなかったの?」
 フェイトの空いているほうの手が、なのはの後ろから小箱を取り上げた。
 応急絆。
 張り替えようとしていたのだろう、隣には小さく丸まったものが転がっている。
 「だって、そんなたいした怪我じゃないんだよ?」
 「消毒もしないで」
 「だって、本当にたいしたことじゃないんだよ」
 ごねるなのはを、もう一度ベッドに腰掛けさせた。
 膝の辺り。
 白い布地についた、少しだけの赤をフェイトが見逃すはずもなく。
 その部分に触れないようにそっと脱がせると、まだ朱を滲ませる傷。
 「大丈夫だから」
 「だめだよ!
  なのは、消毒薬は?」
 「えっと、切らせたまま……だった」
 「じゃあ、買ってくるよ」
 「ちょっと、待って、フェイトちゃん!」
 制服のまま、財布一つをもって部屋を出ようとしたフェイトを慌てて引き留める。
 深夜営業の薬局はなくはないが、こんな時間からフェイトに行ってもらうのは、さすがに気が引けた。
 「明日、仕事帰りに買ってくるから、ね?」
 「なのはは今、怪我してるんだよ?」
 「それはそうなんだけど……」
 言い澱むも、なのはは掴んだフェイトの裾を離すつもりはない。
 「他に選択肢はないよ」
 「そんなことないよ……きっと、考えれば何か……」
 しばし視線が交差する。
 「……そうだね、一つ、思いついた」
 口を開いたのはフェイトだった。
 「どうするの?」
 尋ねたなのはに。
 「なのはは何か思いついた?」
 フェイトは逆に尋ねた。
 「ううん、私は何も」
 「じゃあ、私の案を採用でいいよね?」
 「それは、今から買いに行くっていうのじゃ、ないんだよね?」
 「もちろん」
 「じゃあ……それでいいよ」
 妙に慎重なフェイトに若干の違和感を感じつつ、なのはは頷いた。
 「やっぱりダメって言うのは、ダメだよ」
 「え?」
 そう言うとフェイトは、ぺろりと舌を出した。
 「フェイ……ッ!」
 意図するところを察して、咄嗟に身を引こうとしたなのはの足をフェイトが掴む。
 「いいって言ったのは、なのはだからね」
 「そんな、ずるいよ!」
 「ずるくないよ……ん」
 「ひゃっ」
 傷口にピリッとした痛みと、厚い熱の感触。
 「や、フェイトちゃ……!」
 「ダメだよ、逃げちゃ」
 身を捩ろうとするなのはの腰を片腕で押さえる。
 それでもフェイトの舌がなのはの肌に届くたび、なのはの腰が跳ねた。
 つまり、フェイトの腕に力は入っていない。
 そしてなのはは、逃げられない。
 「でも……!」
 予期せぬ熱に染まった頬を隠そうと、なのはが上体を反らせた。
 確かに顔はフェイトの視界から外れたけれども、代わりにシャツが捲れて白い腹部が露呈した。
 「もう……こんなところにも擦り傷つくって」
 そこには、ほんの浅く引かれた赤の線。
 痛みも特になく、なのは自身気にもしていなかった傷跡。
 「いいよ、別にそんなのッ」
 「よくないよ……ほら、もっと見せて」
 「わ、ちょっと、フェイトちゃん!」
 ガバッとフェイトがシャツを捲り上げる。
 注意すれば、なのはの白い肌の上にところどころ赤い線が見て取れた。
 「ここも、ここも、ここも」
 隠していた傷を指摘するたびになのはに責めるような視線を向けるフェイトだが、なのははそれどころではなかった。
 こんなに明るい光の下で、それもフェイトは制服を着込んだままなのに。
 意識してしまうたびに、なのはの肌が白から朱に近づいていく。
 そうして熱をもった肌に、追い打ちのようにフェイトの舌が降る。
 「ん……」
 なのはが、耐えるように唇を噛んだ。
 「も、もうないよ……」
 吐く息と同化したようななのはの声に、フェイトは体を起こさない。
 「……まだ、もう一個」
 そう言って舌をのばした先。
 「なのはの唇、ちょっと、切れてる……」
コメント
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2011/09/26 (月) 15:39:46 | | #[ 編集]
Re: タイトルなし
初めまして、フェルゼです(礼

ね、けんぜんでしたでしょう?
いや、もう、この消毒薬はなのはさんに非常によく効くんですが、使いすぎると爛れてしまうという副作用があるんですよね。
え? 何がって?
関係が。
――すいません、頭は疾うに湧いております。

雰囲気を気に入っていただけて嬉しいです。
励みになりますね。
すごく。
私なんぞの文章から、何か学べるものがあるのか――反面教師くらいにはなれるかもしれません。
これからもよろしくお願いします(土下座
2011/10/09 (日) 23:30:07 | URL | フェルゼ #-[ 編集]
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