Empty Dumpty
ヒトもすなるぶろぐといふものを、私もしてみむとてするなり。 徒然なるままに文章を書いてみるつもりです。
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マタニティ
で、だ。
私が何したっちゅーねん。

こんばんは
フェルゼです。

この仕打ちはあんまりだよ、JR。

さて、今回更新はカテゴリリリカル。
そろそろ拍手お返事せねばと思いつつ
なのはさんの、ひどいお話。
もしかしたら、以前リクエストをいただいたまる様に……
いや、ここまでひどいのはお勧めできないや。
登場されるのは、なのはさんとフェイトさん。
お付き合いいただける方は、以下からどうぞ。

 「……流石に、ここまでは来ないかな。なのはも」
 寂しささえ知らなかったフェイトが、初めて友達を得て。
 なのはの示す感情が、どんどん深いものになっていくのはフェイト自身気づいていた。
 いや……そういったものに鈍いフェイトにすら気づかれるほど、それはあからさまであった。
 「ふぅ……」
 校舎の隅。
 ほとんど人の立ち入ることのない一角。
 そこの階段に腰掛けて、フェイトは小さくため息をついた。
 ―――なのはがいつも側にいる。
 それは一人の時間がなくなるということ。
 それは、フェイトにとって純粋な喜びだった。
 親しい人間が、心を許せる人間が、望んで側にいてくれる。
 しかし、その喜びに徐々に異なる感情が入り込んでくるまでに、さして時間はかからなかった。
 ―――どこに行ってもなのはがいる。
 時に、独りになりたいときもある。
 しかし、フェイトのそれはなのはによって失われた。
 完全に、奪われていた。

 例えば、ある日のこと。

 姿が見えないことを確認して、そっと、席を立つ。
 「どこ行くの? フェイトちゃん」
 「!」
 フェイトが振り返ると、そこには笑みを浮かべたなのはが立っている。
 「うん……ちょっと」
 「なのはも行くよ」
 「いや……一人で行くから」
 「何で? どうして? なのはも行くよ」
 少しだけ寂しそうな表情を浮かべるなのはに、フェイトはそれ以上強く出られない。
 ―――なのはに嫌われたら。見捨てられたら。
 フェイトの心に刻まれた原始の恐れ。
 フェイトの隣には、いつもなのはがいた。
 ―――なのはだけが、いた。
 「あれ? フェイトちゃん、どこ行くの?」
 先生に用事を頼まれて。
 クラスメイトと教室を出ようとしたフェイトに、なのはが声をかけた。
 「あ、その……先生に用事頼まれたから」
 「二人で?」
 「うん……」
 「そのこと、二人で?」
 クラスメイト、なのだ。
 なのはにとっても、彼女はクラスメイトなのだ。
 だが、その視線は誰とも知らぬ他人を目の前にしたときと同じで。
 「なのはが、行くよ。だから、あなたはいいよ」
 「え? でも、私が……」
 密かに人気の高いフェイト、そのフェイトと仕事のできることは彼女にとっても少なからず楽しみであったから。
 そう、食い下がった彼女に、なのはの視線が色を変えた。
 「聞こえなかったかな?」
 ゾクリ……と。
 フェイトの背筋に冷たいものが流れる。
 知っていて、付き合いが長くて、向けられていなくて、これだ。
 「あ……あぁ……」
 隣にいた彼女は、すっかり萎縮してしまっていた。
 「いいよね?」
 コクコクと頷いた彼女を尻目に、なのははフェイトの腕を取った。
 「さ、いこ。フェイトちゃん」
 その目には先ほどの色など微塵も見られない。
 まるで、乙女……。
 そう、その瞳はまごう事なき"恋する乙女"のものだった。

 フェイトは戸惑っていた。
 自身がなのはに向けているのは友情であり、そこにそれ以上の意味を含ませてはいない。
 けれども、なのはは―――
 なのはは、いつもフェイトを見ていた。
 しかし、その目にフェイトは映っているのか……フェイトにはそれが分からなかった。
 その目に映るのは、フェイトの向こうの、何かではないのか。
 自分の向こうにアリシアを見ていた母のような。
 そこまで考えて、フェイトの思考は停止する。
 「違う……よ、ね」
 確かめるように告げる。
 誰もいない虚空に放った言葉に。
 しかし。
 「何が違うの?」
 返事が、あった。
 慌てて立ち上がり、振り向いたフェイトの視線の先。 
 先ほどまで腰掛けていた階段の上の踊り場。
 笑みを貼付けた、なのはがいた。
 「な……のは……」
 「もう、フェイトちゃんたら勝手にどっか行っちゃうんだもん」
 タンタンタンと、足音が響く。
 なのはが、下ってくる。
 無意識にフェイトの足が下がって。
 「……!」
 一段、踏み外した。
 「キャッ!」
 幸いにもすぐに下の踊り場であったために、怪我には至らなかったものの。
 フェイトは、踊り場に座り込む形になった。
 「大丈夫? フェイトちゃん」
 なんてことない言葉。
 それがフェイトを拘束する。
 言葉と、口調と、口元の表情と、目元の表情と、雰囲気と。
 その全てがちぐはぐで。
 ―――読めない。
 「フェイトちゃん」
 フェイトの前に立ちなのはが名を呼ぶ。
 「勝手にどっか行っちゃ、ダメだよ。
  何度も言ってるじゃない」
 「あ……うん……でも……」
 「……言葉じゃ、ワカラナイのかな」
 そういって、小首を傾げる。
 「なの、は?」
 「なのはもね、ホントはこんなことしたくないんだ。
  フェイトちゃんが悪いんだよ? なのはの言うこと、聞いてくれないから」
 そう言ったなのはの手元で、バチッと。
 火花が散った。
 「!」
 雷を発生させうる彼女にとって、それは見なれたはずのもの。
 けれども、今なのはの手元で光ったそれは。
 「逃げちゃダメだよ、フェイトちゃん」
 それを手に、なのはが歩み寄る。
 「や……イヤ……」
 ずるずると、フェイトが後ずさる。
 しかし、場所は狭い踊り場。
 数秒の間もなく、フェイトの背は冷たい壁に当たった。
 「あ、あ……」
 なのはが目を細めて、そして。
 「いくよー、フェイトちゃん」
 「や! アァァァァ……!! ムグッ!?」
 体が跳ね上がり、ノドが悲鳴を押し出して。
 響き渡ると思われた瞬間。
 なのはのハンカチが、フェイトの口を塞いだ。
 頭を壁に押し付けられ、跳ねることすらかなわない。
 声を殺され、動きを殺されて、フェイトの目が見開かれた。
 「逃げちゃ、やだよ? フェイトちゃん」
 なのはの声が、愉悦を含んだ声が脳裏に響いて。
 カクン、と。
 フェイトの意識が、途切れた。



 「フェイトちゃん。
  フェイトちゃんが悪いんだよ?
  なのはを、拒絶しないから。
  否定しないから。
  嫌だったら、ちゃんと言うよね?
  フェイトちゃん、なのはのこと受け入れてくれてるんだよね?
  ね、フェイトちゃん……」
 「……」
 「フェイトちゃん……」
 「…………」
 「フェイトちゃん……」
 「………………」
 「呼んでよ、フェイトちゃん」
 無言のままのフェイトを、なのはが揺する。
 「"なのは"って、呼んでよ……」
 ガクガクと揺れて、それでもフェイトは何も言わない。
 「昔みたいに、呼んでよ……」
 「……ぁ……」
 ぽそり、と。
 羽が地に落ちた程度の音が、した。
 誰にも聞きとれないに違いないその音に、なのはが満足げな笑みを浮かべる。
 「あは……ありがと、フェイトちゃん」
 ギュ……と、その頭を抱きかかえて。
 「大好きだよ……。
  絶対、ハナサナイからね……」
 そんな毒を、流しこんだ。







 くる
 繰る
 狂
 来る

 あのこは
 だぁれ?













 後書き
 年齢制限に引っ掛かる部分を消したら、「マタニティ」要素がなくなったよ!
 でも、新しい題名考えるの面倒だったからそのままだよ!
 ……ひどいのは私か!
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