Empty Dumpty
ヒトもすなるぶろぐといふものを、私もしてみむとてするなり。 徒然なるままに文章を書いてみるつもりです。
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強襲
生きるためのエネルギーを
節約。

こんばんは
フェルゼです。

人生省エネ。
これも一種のエコかしら。

さて、今回更新はカテゴリマギカ。
某所にはすでに投稿させていただいたものですが、
壊れたお話です。ご注意。
なんでこんなものができたのかしらん。
私自身よく分かりませんが、一つ、可能性があるとしたら。
純米酒のロック、三杯。
これかなぁ。
登場されるのは、ほむらさん、杏子さん、名もなき魔法少女の三名。
恋する要素はない、かも?
お付き合いいただける方は、以下からどうぞ。

 「何のためにこんなことやってんだろーね、あたしらはさ」
 「まどかを守るためよ」
 廃ビルの屋上で愚痴る佐倉杏子に、私は迷うまでもなく返した。
 「そいや、あんたはそうだったね」
 まったく、理由が在るってのは羨ましいことだ。独り言のつもりだったのかもしれないが、そんな声が鋭敏にしていた聴覚に引っかかった。
 そして、もう鋭敏にしておく必要がないことに気づいた。
 今回の魔女戦は終わったのだ。
 大して濁りもしなかった二人分のソウルジェムの浄化は、ストックしてあったグリーフシードで事足りたので、今回分は新たなストックに回しておこう。
 巴マミのリハビリの様子を見に行く際に、持って行ってもいいかもしれない。
 オクタヴィア戦での心の傷も癒えてきている様だし、ワルプルギス戦に向けて、本調子に戻ってもらわないといけない。
 「あなたにとっては理由を失った戦いかもしれないけれど、もうしばらく付き合ってもらうわ」
 「ワルプルギスの夜までか。厄介な約束しちまった」
 首を振りつつ杏子は、槍を肩に渡した。
 「どうする?」
 「少し威嚇して、帰ってもらいましょう」
 「んじゃ、任せていいか?」
 「仕方ないわね」
 前回は、杏子が普通の人間ならば全治三ヶ月程度になるだろう怪我をさせて追い返したので、今回は私ということだろう。
 まぁいい。
 手ごろなタイミングで時を止めて銃弾で囲んでやれば、いつものように帰るだろう。
 
 「あなたたちですね」
 私たちが背を向けていた屋上の扉から、少女が現れた。
 「私たちが、どうしたというの?」
 「見滝原の魔法少女チーム」
 「チームだなんて名乗ったことはあったかしら?」
 背中を向けたままの杏子に尋ねると、槍を担いだままで器用に肩を竦めて見せた。
 「そんなこと、どうだってよろしいわ。
  単刀直入に言います。
  この縄張りをよこしなさい」
 「嫌と言ったら?」
 「痛い目を見てから譲るより、今のうちに譲っといたほうがお利口さんだと思いますわ」
 私も杏子も、この町に拘りはない。
 巴マミはあるのかもしれないが。
 ただ、杏子は杏子で一度はこの町を守ろうとした魔法少女に囚われているし、私はまどかがここにいる限り離れるわけにはいかない。
 「残念だけれど、私たち、そんなに利口ではないの」
 利口だったら、こんな馬鹿げたことに囚われたりはしないもの。
 「ホント、残念ですわ」
 どこぞの魔法少女は、そう言って口元を歪めて笑った。
 小物っぽいから、その笑い方やめたほうがいいと思うわ。
 「そういえば」
 何が余裕たらしめているのか知らないけれど、少女は私と杏子を眺めてからおかしそうに言った。
 「あなたたち、元々は四人のチームだったそうですわね」
 杏子の肩がピクリと震えたのが視界の隅に映った。
 私は一歩、距離をとる。
 杏子から。
 「一人は魔女との戦いの後消えていて、もう一人は精神を病んだとか。
  とんだ腰抜けですこと」
 私はバックステップの要領で、二人の間から逃げた。

 ――時を止めるというと、卑怯な能力に思われるかもしれない。
 実際、非常に便利な能力ではある。
 あるけれども、こと近接戦闘においては絶対的有利とはなりえない。
 時を止めるにはつまり、時を止めるための時間が必要となるので、止めはしたけれどももう終わっていました、ではどうしようもないのだ。
 そんな事態を避けるにはどうするか。
 色々あるが、もっとも単純なのは、時を止めるための時間を稼げる位置を取る事だ。
 距離をとると言い換えてもいい。
 危険と思われるポイント、魔女そのものなり、その武器なりから、距離をとる。
 そのタイミングが計れずして、この能力は生かしきれない。
 今回もタイミングは絶妙だった。
 我ながらうまく取ったと思う。
 私が狙った位置に着地する前に、少女の胸は多節と分かれた杏子の獲物の節の一つが貫いていた。
 もちろん少女の背側には、節数個をおいて紅い槍がその朱を深めている。
 「え?」
 少女は何が起こったのかを理解していないらしい。
 私にも、分かるのは杏子の手から放たれた槍が少女の胸を貫いたという結果だけで、過程はまったく分からなかった。
 目にも留まらぬ速さというヤツ。
 まったく、近接戦闘も達人級になると時間能力者泣かせだ。
 「ったくよー」
 愚痴りながら、杏子が柄を引いた。
 瞬時に手元に戻った刃は、少女の肋骨を引っ掛けたらしく、折れた骨が数本、床に落ちて軽い音を立てた。
 ワンテンポ遅れて、傷つけられた血管が赤い液体を吹き出す。
 グ、というか、ガ、というか、そんな濁った音が少女の口から漏れたけれども、すぐにゴボッと溺れたような音に変わった。
 まぁ、気管や肺に液体の進入を許すことを溺れるというのなら、少女は間違いなく溺れている。
 地上十数メートルの屋上で、自分の血に溺れている。
 「言ってイイコトとワルイコトがあるって、教わらなかったのかい?」
 引かれた勢いで前のめりに倒れかけている少女に、杏子が足を踏み出した。
 そのまま、手元の槍を袈裟に振り上げる。
 少女の腹部が斜めに開口して、ついでとばかりに右腕の二の腕から先が落ちた。
 押し込められていた内臓が、腹膜という咎を失って好き勝手に飛び出してくる。
 ショック死できないのが、魔法少女の辛いところよね。
 痛覚を切り忘れたのか、切り方を知らなかったのか、その痛みはちゃんと感じているようで、目を見開き、何か呻いている。
 何か見えるのかしらね。
 と思ったら、眼球が横薙ぎに切り裂かれた。
 返す刃で、平手打ちをするかのように地面に頭から叩きつける。
 脆くなっていた床が少し吹き飛ばされて、代わりに少女が埋まった。
 「あたしと、そこにいる黒っぽいのを貶す分には構わないよ」
 私は構うわ。
 「でも、巴マミ、って言って分かるかい?
  黄色いティロフィナーレ。
  アイツを貶すのは、よくないね。
  あいつはそれなりの強さも優しさも兼ね備えてて、ちょっとショックに弱いのは否めないけどさ。
  それでもあんたがこんなんになる前に止めただろうから、アイツがいないのはあんたの不幸だったわけだよ」
 ザリザリと、赤く染まる床を踏みしめて杏子が少女に近づく。
 小石のように蹴飛ばされた肋骨の一本が、屋上の向こうに消えていった。
 「ま、最終的にあんたの失敗は、さやかを貶したトコだな。
  誰だって怒るだろ?
  理想を貶されたらさ」
 自業自得ってヤツだ。少女の脇に立って、杏子は口に出さずに呟いた。
 獲物を持った腕を、ビクンビクンと震える少女の中心に合わせる。
 「よいしょ」
 ザクリ
 音はしなかったけれども、したとしたらそんな感じだろう。
 杏子の刃は少女の腰の少し上で、脊髄を分断していた。
 ゴボリともう一つ、少女の口が血の塊を吐き出した。

 「よし、んじゃあ後は任せた」
 「任せたって、これ以上私にどうしろと言うの?」
 引き抜いた槍を肩に踵を返した杏子。
 私と共に屋上に残されたのは、神経的に上半身と下半身が切断された少女。
 まぁ、物理的に言ってもかろうじて繋がっている程度だけれども。
 杏子が傷一つつけなかった左肩のソウルジェムは、ドロドロと渦巻いてきている。
 これは、時間の問題かしら?
 カフカフと口を動かす少女に耳を寄せた。
 「なん……いきて……の」
 ふむ。
 “なんで、生きているの?”
 というところかしら。
 ただ、対象が分からない。
 それは、こんなになっても意識のある自分自身についてかしら?
 めんどくさそうに切り裂いた赤い狂気についてかしら?
 それとも、平然と見下ろしている私についてかしら?
 ――どれについてであろうとも、答えは一つなのだけれど。
 「魔法少女だからよ」

 口ほどに物を言う目がなくとも、表情は分かるのね。
 そこに浮かんでいるのは、絶望と呼ぶに足りるものだった。
 これだけの傷だ。
 美樹さやかのような治癒特化ならともかく、通常の魔法少女では治癒そのもので魔力が大幅に失われる。
 死なないことに頼って自然治癒に任せたら……どうなるのかしら?
 まず体中の血は失われるでしょうけど、そこからどう組み上げられていくのか。
 少女がそれを実践するつもりなら、観察してみようかしらね。
 あぁ、でも無理かしら。
 傷を癒そうと各所が明滅している。
 飛び出した内臓が、腹圧に逆らって戻っていく様は、なかなか面白い。
 でも、もう魔力が持ちそうにないわね。
 彼女自身のプライド――攻め込んできたくらいだから、自身の戦闘力に自信があったのだろう。
 それを打ち砕かれたのだから。
 戦術的には悪くなかったと思う。
 相手のホームグラウンドで戦うのだから、同じ状態では不利。
 煽る事で冷静さを無くさせてそれを補正しようとしたようだけれども。
 冷静なままでブチ切れる相手というのを知らなかったのね。
 コポリコポリ
 ソウルジェムに泡が浮くたびに、光が失われていく。
 もって後数秒、かしら。
 私はゴソゴソと楯を漁り、エネルギーに反応してタイマーがセットされる特殊仕様の爆弾を取り出して、場にセットした。
 「まったく、威嚇にしようってことで納得したのは、どこの誰だったかしら」
 今夜二個目のグリーフシードの使い道を考えながら、私は一旦その場を後にした。






 後書き

 壊れているストーリー。
 舞台としては、
 ・マミさん、ほむらさん、さやかさん、杏子さんが魔法少女として共同戦線を張っていた。
 ・さやかさん、魔女化。
 ・オクタヴィアを倒し、錯乱したマミさんはほむらさんが止めている。
 ・錯乱から回復しきっていないため、マミさんは戦線に復帰していない。
 こんなところで。
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