Empty Dumpty
ヒトもすなるぶろぐといふものを、私もしてみむとてするなり。 徒然なるままに文章を書いてみるつもりです。
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
楔と呪い
繰り返し突き付けられるは
悪意のない(と思いたい)、刃

こんばんは
フェルゼです。

チクチクして痛い。

さて、今回更新は少し前にお話をいただきました物語。
「気が向いたらよろしく」とのことでしたが、何時でも気は向いておりますので。
田村さんの「floral blue」を聴いてらしたら、独占欲の強いなのはさんのお話が読みたくなられた、とのことで。
その辺りをもそもそと手懸りにしつつ、短いものを書いてみました。
後書きは反省文。

というわけで、もちろんカテゴリはリリカル。
登場されるのは、なのはさんとフェイトさん。
お付き合いいただける方は、以下からどうぞ。



「ありがとう、フェイトちゃん。
 私がここまでこれたのはフェイトちゃんのおかげだよ」

 私の言葉は、ウソでホント。
 私自身を欺きながら、彼女と向かい合っていくための私の手段。
 でもいつの間に、私は笑顔で嘘がつけるようになったんだろう。
 彼女に対して。
 私の為の嘘を。

「ねぇ、私がもしも寂しくなったら、その時は傍にいてくれる?」

 貴女に告げる、私の想い。
 届くことを願って。
 届かぬことを祈って。

 ホントはいつだって、そばにいてほしいのに。
 傍にいて、私の色を見つめ続けてほしいのに。

 私の色を知るのは、あなただけでいい。
 でも、あなたは、私の色に気付いているの?
 貴女の感情は、今ここにいる誰にでも等しくて。
 昔は、私だけだって自惚れていられた。
 少し、懐かしい。
 
 思ってはいけないことを、思ってしまう私がいる。
 ――あなたがもしも一人きりだったなら。
 ねぇ、そしたら、私だけを見てくれた?
 そうしたら、私を、求めてくれた?
 なのはだけを愛してくれた?

 その問いは、楔だ。
 ズクリと、心に刺さる。
 甘い甘い楔を、私は引き抜くことが出来ない。

 もう、この感情に逃げ場がない。
 貴女と繋がっていく世界すら、私を責め立てて。
 彼女はもう孤独ではないのだと。
 私など必要ないのだと。
 彼女の傍らにいるのが、私である必要はないのだと。
 私に付きつけてくる。
 逃げ場のないこの想いは、ねぇ、どこに行けばいいの?
 彼女以外埋められない空隙を抱いたまま、私は楽園から零れ落ちていく。

 伸ばした手に、気付いて。



 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



「ありがとう、フェイトちゃん。
 私がここまでこれたのはフェイトちゃんのおかげだよ」

 微笑むなのはが告げるのは、優しい呪い。
 穏やかに告げられたその言葉で、私がどれだけの喜びに包まれるのか、なのはは分かっているのだろうか。
 私がどれほどの束縛を受けているのか、なのはは分かっているのだろうか。
 初めて他人を強烈に欲した。
 母さんに見てほしかった、あの気持ちとは違う。
 友だちになりたいと願った、真っ直ぐな思いとは違う。
 家族とか、友達とか、そんな穏やかな感情ではなかった。
 君がそこに立っているのは、紛れもなく君自身の成果だけれども。
 欠片でもいい、私が役に立てていたならいいと思う。
 なのはを構成する今に、組み込まれていたならいいと思う。

「ねぇ、私がもしも寂しくなったら、その時は傍にいてくれる?」

 あぁ、もちろんだよなのは。
 君が望むならいつだって。
 欲してくれるならどんな時だって。
 私は君と共にあろう。
  
 でもそれはきっと、叶わぬ願い。

 なのははいつか、誰かを選ぶだろう。
 それはきっと私ではない誰かで。
 誰も選ばなかったとしても、私の位置は他のみなと同じだ。
 友だちと言う拘束から、抜け出せない。
 逃げられない。

 嫌われるのが怖い。
 だから、近づくことは怖くて。
 でも。
 離れることなんて、出来はしないんだ。

 想う度に濁っていく心と躰。
 死んでも生まれ変われるなんて救いがもしもあるとするならば、いつか輪廻の果てに、なのはと。
 穏やかに在れる私達であればいいと。
 擦り切れるほどに、願っていた。 







 後書き 

 リクエストではなのはさんだったのですが、なんとなくフェイトさん側もつけてしまいました。
 しかも、なんだか独占欲が出しきれていない……。
 なのはさんの独占欲物語については、再チャレンジ!
 ということで、どうか一つ。

 
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
copyright © 2005 Empty Dumpty all rights reserved.
Powered by FC2ブログ.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。