Empty Dumpty
ヒトもすなるぶろぐといふものを、私もしてみむとてするなり。 徒然なるままに文章を書いてみるつもりです。
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
DeNature 8
形を保つのは、
存外、難しいです。

こんばんは
フェルゼです。

少し前までは、何を意識することもなく出来ていたはずの事なんですけどね。
今では、私という形が分かりません。

さて、今回更新いたしますのも、カテゴリリリカル。
終わりに向かう、先のないお話。
後日譚その一です。
お付き合いいただける方は、以下からどうぞ。



 数カ月の時が流れた。

 フェイトだけがいない朝
 フェイトだけがいない部屋で
 なのはは目を覚ます。
 ヴィヴィオが隣で静かな寝息を立てている。
 時折、フェイトが眠る錯覚に襲われる。
 ヴィヴィオの向こう。
 フェイトが横になったままで、柔らかな笑顔を向けてくれる想像。
 肌をなぞる。
 痛みを、なぞるかのように。
 まだ、覚えている。
 抱きしめてくれたフェイトの体。
 その温もり、柔らかさ。
 この肌はまだ、覚えている。

 ヴィヴィオを起こさぬように気を付けて、制服に手を通す。
 フェイトだけがいない朝
 フェイトだけがいない世界で
 なのはは日常を始める。
 いつしか形が。
 悲しみの明確な形が薄れていくのをなのはは感じていた。
 日常という流れに揉まれて、削られるかのように。
 フェイトとの日々が、欠けていくかのように。
 明確に感じていた悲しみの形が朧げになっていく。
 それは必要なことなのかもしれない。
 けれども今は。
 なのはは悲しみを抱えていたかった。
 ヴィヴィオの眠るベッドに視線を向ける。
 錯覚に縋って。
 心から絞り出すかのように、フェイトの姿がそこに浮かびあがり。
 ……その表情だけが霞んだ。
 なのはが目を見開く。
 想い出を辿る。
 心を掘り返す。
 けれどもフェイトの笑顔は霞んだままで。
 なのはは、小さな叫びをのみ込んだ。

 ―――それは、大切なものだったはずなのに。

コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
copyright © 2005 Empty Dumpty all rights reserved.
Powered by FC2ブログ.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。