Empty Dumpty
ヒトもすなるぶろぐといふものを、私もしてみむとてするなり。 徒然なるままに文章を書いてみるつもりです。
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DeNature 7
ふと、
空を見上げる。

こんばんは
フェルゼです。

明るい話が、書きたいです……。

今回更新いたしますのも、カテゴリリリカル。
紡ぐのは一枚きりの、失われた日常。
お付き合いいただける方は、以下からどうぞ。

――あ、本編これでラストだ。
次回は後日譚になります。




 式典を終えての帰り道、アイナとザフィーラがヴィヴィオを呼んだ。
 本当に用があったのか、気を使ってくれたのか。
 それは分からないが、彼女にヴィヴィオを預けてなのはは一人部屋に戻った。
 「……あ、そうだ。
  戻ってきた洗濯物、まだ仕舞ってなかったんだ」
 適当に畳まれた衣類がケースに仕舞ってあって。
 なのははそれらを順に取り出して、畳み直しつつ選り分けていく。
 フェイトは出張していたから、ほとんどなのは自身とヴィヴィオのもので。
 「これは、私の。
  こっちは、ヴィヴィオの。
  これも……ヴィヴィオの」
 なのはの右と左に、小さな山が幾つも出来ていく。
 「こっちも、私ので……これは……」
 ケースの底の方。
 見えないままに手探りで取り出して。
 「フェイト、ちゃんの」
 なのはの動きが、数秒、止まった。
 畳む動作も今までと比べて明らかに鈍くて、綺麗にまとまらず、何度も開いてはやり直す。
 「……」
 無言で開いては畳む動作を繰り返すなのはの表情が、徐々に歪んで。
 その視界が滲むまでに、さしたる時間は必要としなかった。
 「……っふ、ぅ……う……」
 完全に開いた状態のそれを、フェイトの上着を、ついに畳むことを放棄して。
 なのはは、抱きしめた。
 「ぁ……あ……ウゥ……」
 嗚咽すらいつしか満足に漏らせなくなっていて、ただ、息が、詰まる。
 ふわりとしていた生地が濡れていく。
 ひたすらに抱きしめて。
 押し寄せる虚無感が怖くて、顔を押し付けた。
 仄かに残る甘い、フェイトの匂いに身を捩られるような衝動に駆られる。
 「あ、ぁぁぁ、ぁ……」
 この服の持ち主はいないのだと。
 もう、これが身につけられることはないのだと。
 したくもないのに、勝手に脳が認識してしまう。
 突きつけてくる。
 抱きしめて、蹲り、もう、動けない。
 少しでも体を動かせば、失ってしまう錯覚に陥っていた。
 「うぁ、うわぁぁぁぁぁぁ……!」
 ただ歪な嗚咽だけを響かせて、ヴィヴィオが戻るまでなのははただ、蹲り続けていた。
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