Empty Dumpty
ヒトもすなるぶろぐといふものを、私もしてみむとてするなり。 徒然なるままに文章を書いてみるつもりです。
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DeNature 5
いつか過去になる
今へ

こんばんは
フェルゼです。

今という激流が過ぎ去るのを、
ただ、頭を抱えて、
自分を抱きしめているだけで、
精一杯なようです。

さて、今回更新いたしますのもカテゴリリリカル。
そうして、何が起こったのか。
お付き合いいただける方は、以下からどうぞ。



 
 早朝練習に出ようと身支度をしていたなのはに、至急のフラグが付けられた通信が届いた。
 発信者"クロノ・ハラオウン"。
 大体が船の上にいるその人がこちらに来ていたことに小さく驚き、確認してほしいことがあるとだけ告げられた通信に早朝練習には出られないなと判断する。
 「ロストロギアが絡んだ事故があった」
 指定された部屋を訪れたなのはに定型どおりの挨拶を済ませてから、クロノはそう言った。
 告げられた管理世界は、今まさにフェイトが滞在しているはずの所。
 「現場は、一般の宿泊施設。
  護送中の事故だ。
  宿泊場所の選定と言いその方法といい、護送班にミスがあったと言わざるをえない」
 そこで区切るように息を吐いたクロノに、なのはは苛立つような不安を覚えた。
 「何が、言いたいのですか……」
 「その宿泊施設には、もう一組、客がいた。
  いや、正確に言うともう一組だけ、人がいた。
  フェイト・T・ハラオウン執務官とその保護児童二人の計三人が」



 数秒か数分か、時が止まった様な沈黙が部屋を包む。
 「フェイトちゃん、が……?」
 搾り出されたなのはの声は、震えて。
 「その宿泊施設から少し離れた建物に備えてあったカメラが、暴走時の様子を録画していた」
 「……それを、なぜ私に?」
 「……映っているのがテスタロッサ・ハラオウン執務官かどうか、確かめてもらいたい」
 そう言って、映像を再生させるクロノ。
 「……言い忘れたが、このカメラには生体反応を検知するセンサーも搭載されている」
 そして、画像が動き出した。

 22時16分24秒 映し出されているのは路地
 22時16分28秒 爆発音とともに震動。カメラが方向を変え、白煙を上げる建物が映し出された
 22時16分31秒 再度爆発。植物のツタのようなものが壁面を突破
 22時16分32秒 ツタに次々と瘤のようなものができ、それが先端から次々と爆発
 22時16分34秒 崩れた壁面の向こうに、うごめく人影

 クロノはそこで画像を止め、人影を拡大した。
 カメラの精度の問題か、画像は不鮮明である。
 でも。
 「どうだ」
 「……フェイトちゃん……」
 「……間違い、ないな?」
 「……私が、見間違えるはず、あると思いますか?」
 「……いや」
 そこで画像を消そうとしたクロノに、なのはが制止の声をかけた。
 「フェイトちゃん、どうなったんですか」
 「……事故に、巻き込まれた」
 「見せて下さい」
 逡巡して。
 クロノは、ズームのまま画像を再生させた。

 22時16分35秒 フェイトの数メートル先に、保護児童の姿を確認
 22時16分36秒 そこに向かおうとしたフェイトが、生じた爆発により吹き飛ばされた。シールド展開の形跡あり
 22時16分37秒 二人の直上に一際大きな瘤が形成された
 22時16分37秒 爆発がその瘤の直前に達する
 22時16分38秒 一瞬だけ金色の光が漏れた。直後、大爆音と共にモニターホワイトアウト
 22時17分12秒 生体反応センサー作動。爆発領域内にて、二つの生体反応のみを検知
 22時17分56秒 モニター復帰。円状の領域内に二人の児童を確認。それ以外の領域は消滅

 そこで、再生が終わった。
 「あとは同じ絵が続くだけだ」
 黙りこむなのは。
 「すまなかった……。協力、感謝する」
 言い残して、去ろうとするクロノ。
 「いつ、ですか」
 「何がだ」
 「現場検証は、いつですか」
 「……今から、向う」
 「同行します」
 「いや、だがしかし……」
 「同行します」
 有無を言わさぬ口調。
 「……分かった」
 
 
 向かった先はフェイトのいた管理世界。
 星としてサイズが小さいのか、この場所が高台なのか。
 降り注ぐ光の強さに、なのはは手でひさしを作って顔を上げた。
 「空、近いな」
 足を止めたなのはに、クロノが斜めに、俯くように告げる。
 「こっちだ」
 「はい」
 クロノの後をついて煤けた町を通り抜けると、不意に、視界が開けた。
 あるべきものがない不自然な空白。
 「ここ、だ」
 「……」
 そこは、その、ホテルのあったとされる場所は。
 直径一メートルに満たない大きさの円を残して、クレーターと化していた。
 言葉もなく立ちすくむなのは。
 「護送班は、初めの爆発で敷地外まで吹き飛ばされたため全身打撲等で全員入院中だ。
  あとは児童二人を救出した以外、誰も何も触れてはいない」
 ふわりと飛び上がって、円の中心に向かうなのは。
 中心で、きらりと光るもの。
 「……」
 無言でそれを拾い上げる。
 主を失い、灰に塗れて煤けた金色。
  "閃光の戦斧" バルディッシュ・アサルト
 なのははそれを、ぎゅっと握りしめる。
 少しの間そうして動きを止めて、それから、クッと天を仰いだ。

 空はほんとうに、近かった。


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