Empty Dumpty
ヒトもすなるぶろぐといふものを、私もしてみむとてするなり。 徒然なるままに文章を書いてみるつもりです。
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DeNature 4
降りしきる、降りしきる
夜桜

こんばんは
フェルゼです。

あ、今週も忘れた。

さて、今回更新いたしますのもカテゴリリリカル。
前回と同じカテゴリですが、時間は少し流れております。
後半戦、かな。
……嫌な予感を察した方は、避けられるのが吉かと。
お付き合いいただける方は、以下からどうぞ。




 「フェイトちゃん?」
 帰り道。
 局の廊下で、なのはが振り返る。
 呼ばれたような。
 彼女に呼ばれたような。
 そんな気が、した。



 部屋にいたなのはの耳に、電子音が届いた。
 「お風呂の準備できたよ、ヴィヴィオ」
 「今日は一人で入る」
 「ん、分かった。じゃあ、ママはヴィヴィオの後にしよう」
 時折一人で入るようになったヴィヴィオの後ろ姿を見送る。
 これが成長というものだろうか?
 周りの変化を気にしつつ、自分も少しずつ変わって行く、きっとそんな時期なのだろう。
 ヴィヴィオが入浴するのを見届けて、なのはは小さな如雨露に水を汲んだ。
 零さない様に気を配りながら、部屋のあちこちにおいてある鉢植えに水をやる。
 出かけている間の世話をフェイトに頼まれたそれに水をやりつつメールのチェックをするのが、ここ数日のなのはの日課だった。
 受信したメールの件名を一通り表示させつつ鉢植えを周る。
 事務連絡から他愛もない話まで、件名から当たりをつけつつ確認する順番を考える。
 一通り水やりと手入れを終えて、ふとデスクに目をやって。
 ランプが点滅しているのに気づく。
 私用メールの受信ランプ。
 送信者によって色分けされたその色は黄色。
 他の管理世界に出張中の、フェイト。
 「フェイトちゃんだ!」
 仕事中はあまりメールをくれない彼女から連絡が来るのは嬉しくもあり、同時に少し不思議な感じがした。
 すべてに水を与えたことを確認してから如雨露を乾かし、小走りにデスクに向かう。
 "なのはへ"とシンプルに表示されたタイトルに、らしいなぁと軽い笑みを浮かべて本文を表示させた。

 "Dear なのは

 捜査は無事終了したよ。
 誘拐されてきたらしい幼い兄妹を見つけたから、保護してるところ。
 犯人を護送しなくちゃいけないから、他の人たちは先に帰ってもらったんだ。
 二人が疲れている様子を見せたから、私は途中で一泊することにしました。
 ホントは早く帰りたいんだけどね。
 でも、一緒に散歩していたら、すごく景色のいいところを見つけたんだ。
 なのはも三日くらい休みを取ってヴィヴィオと一緒に見に来るといいよ。
 その時は、私が案内してあげるからね。

 追伸 植物の世話、よろしくね。

 from フェイト・T・ハラオウン"

 なるほど、となのはは頷いて、この先の予定を思い浮かべた。
 三日連続のおやすみ、か。
 少し先にはなってしまうけれど、不可能じゃあない。
 問題はむしろ、二人の休みを合わせられるかどうか。
 仮に申請出来たところで……なのはは苦笑を浮かべる。
 連続した休暇は、申請通りにとれたことよりも、中断したことの方が多かった。




 「問題なし、と」
 別行動をとった仲間達の状況を確認して、フェイトは一息ついた。
 今日やるべきことはもう終わっていた。
 後は寝てしまうだけだけれども……なのはに送ったメールに、もしかしたら返事が来るかもしれないと思うと、まだ眠る気にはなれない。
 「うーん」
 首を傾げたフェイトは、注視していた二対の視線に、目を向けた。
 「まだ寝る気にはなれない、かな?」
 初めのころこそ緊張していた兄妹だったが、フェイトには慣れたのか、ベッドに腰掛けてリラックスした表情を見せていた。
 このホテルの静けさも助けになっていたようで、フェイトは安堵の笑みを浮かべた。
 心身ともに疲れているだろうから、今は休息が一番。
 「メール、されてたんですか?」
 兄の方が、恐々といった様子で声を発する。
 そう言えば、まともに話しかけてもらったのは初めてかもしれない。
 「うん、そうだよ」
 「家族、とか」
 「家族……うん、そうだね。
  私の大切な家族」
 「……ママ」
 「大丈夫、すぐに会えるよ」
 ポツリ呟いた女の子に、フェイトはしっかりした声で返した。
 「ほんとう?」
 「ほんとう。
  さっき聞いたらね、あなた達のパパとママがね、すごい喜んでたって。
  いつでも会えるように待っててくれてるって」
 「わぁ」
 「よかったな」
 ぱぁっと明るい表情になった妹の頭を、兄がなでた。
 「さ、もう寝ようか」
 その様子に目を細めたフェイトが、提案した。
 早目に休んで、出来ることなら早めに出発しよう。
 手続きをした新館の、フロントの様子を思い出しつつ、フェイトは寝る準備を始めた。

 静かな、夜だった。
 主な設備は新館の方に移っており、必要な時以外は従業員すらフェイトらが宿泊している旧館にはいない。
 従業員に不思議に思われつつもわざわざ旧館を選んだのは、旧館ならば他に客はいないとフェイトが考えたから。
 喧騒は必要ないと考えたから。
 しかし、そのホテルには管理局の別のグループも宿泊していた。
 ロストロギア護送班。
 新米が多い班だが、今回の対象が活動の気配を見せず、全く周囲に影響を与えていないということで、護送のみを担当した。
 それが気の緩みか。
 一般の宿泊施設に泊まるなど。
 そして、その夜。
 ロストロギアが、暴走した。
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