Empty Dumpty
ヒトもすなるぶろぐといふものを、私もしてみむとてするなり。 徒然なるままに文章を書いてみるつもりです。
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DeNature 3
命なんて優しいものを
今はまだ、書ける気がしません。

こんばんは
フェルゼです。

春の気配がそこかしこから聞こえてきますね。
うん、ブッセがおいしい。
……この焦げ臭いのはなんだろう?

さて、今回更新いたしますのもカテゴリリリカル。
前回に続く物語になります。
前半戦終了、かしらん。
お付き合いいただける方は、以下からどうぞ。




 もう、失いたくないから。 



 深夜。
 なのははこっそりと私室を抜け出す。
 隣で静かな寝息を立てるフェイトを起こさないよう。
 気付かれないように。
 向かった先は、生き物の気配のほとんどない夜の森。
 夜行性の生物すら走り去ったこの場所で、なのははレイジングハートを起動させた。
 「今夜も、お願い。レイジングハート」
 "……Yes, master"
 戸惑いの見られる声。
 フォルダを作ったその日から、なのはは深夜のトレーニングを始めていた。
 昼間は昼間で精力的に仕事をこなし、くたくたになった体を少しだけ休めて。
 深夜、再び自らに鞭打つ。
 倒れそうになる自分を顧みもせずに。
 だから、それはもしかしたらレイジングハートの願いだったのかもしれない。

 「行くよ……」
 なのはがレイジングハートに力を集めていく。
 通常の砲撃の域を超えてもまだ、止めずに。
 溜めて溜めて溜めて、限界まで溜めて。
 その上限を引き上げようとしていた。
 いつもは、その溜めた力は放つ寸前に霧散させる。
 後に残るのは、疲れ切った体だけ。
 その、はずだった。
 「……制御が……効かない!?」
 "……!"
 紅玉から光が漏れる。
 限界を超えて溜まった力は、それを抑えようとするなのはの力を上回ってしまっていた。
 今までならば制御できたその量は、疲労の蓄積した今のなのはには大きすぎて。
 レイジングハートもそれを散らそうとするが、一部の勢いを殺しきれない。
 「……ダメ……止まらない……!!」
 四方八方に細かな光の線が飛び出していく。
 周囲の塵や木の葉と接触してそれらはすぐに減退したが、一条だけ。
 正面に突き抜けた光の線だけが、明らかな力を保持したまま直進していた。
 「ダメ……!」
 光のゆく先。
 逃げていなかったのか、逃げ遅れたのか。
 小さな、動物の陰がみえた。
 「逃げて……!」
 なのはが手を伸ばす。
 まだ幼かった頃、出合った頃のフェイトとの戦闘がなのはの脳内に蘇った。
 届かない。
 この手は、また……届かない!

 「バルディッシュ」
 "Yes, sir"

 闇夜に金の閃光が走った。
 そして。
 ―――バシャン
 押しつぶされるような音を立てて、光が消えた。
 「フェイトちゃん……」
 なのはの正面。
 光の消えさったその場所に、フェイトは立っていた。
 無言で歩み寄る。
 「……」
 なのはが視線を落とす。
 

 「なのはは、何をしていたの?」
 「……トレーニング」
 「何のために?」
 「……守る力が、欲しくて」
 「何を?」
 「……大切な人を」
 「どうして?」
 「幸せに、なって欲しい、から」
 「そのなのはの守りたい人の中に、なのはのお母さんたちはいるの?」
 「いるよ」
 「その中に、アリサやすずかはいるの」
 「いる」
 「はやてたちは?」
 「いる」
 「同僚や先輩たちは?」
 「いるよ」
 「なのはが教えてきた子たちは?」
 「いるよ」
 「私は?」
 「もちろんいるよ!」
 「じゃあ……」
 そう言ってフェイトは困ったように笑った。
 「なのはは?」
 「え……?」
 「なのはが守りたい人の中に、なのは自身は入っていないの?」
 「私、自身……?」
 「だって、なのはは大切な人に幸せになってもらいたいんでしょ?」
 「うん……」
 「たとえば私は、ね。なのは。なのはが幸せじゃないと幸せじゃないよ」
 「フェイトちゃん……」
 「だから、無茶はしないで……って言っても、なのははしちゃうんだろうな」
 そう言って、フェイトが苦笑を浮かべた。
 「だから、せめて、私には隠さないで」
 もう消えたはずの傷跡が
 ズキン……と
 痛んで。
 「……うん」
 
 ぱたぱたと。
 気づいた時、なのはの足元は湿っていた。
 それが、俯いた自分の目から落ちたものだとなのはが気付いたのは。
 無言で涙を流し続けるフェイトの腕に、包まれた時。
 その温もりに抱きしめられた時だった。




 後書き
 ヒトなんてものは,勝手なものです.
 
 
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2011/04/06 (水) 20:49:16 | | #[ 編集]
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