Empty Dumpty
ヒトもすなるぶろぐといふものを、私もしてみむとてするなり。 徒然なるままに文章を書いてみるつもりです。
M. T. 54
あー、そうだったんだ
公害だったんだ。

こんばんは
フェルゼです。

迷惑だろうとは思っておりましたが、
レベル公害とは。
とりあえず、謝らねばなりませんね。
先日お会いした皆様、挨拶させていただいた方々、すみませんでした。

さて、今回更新もM. T.
さんざんまよって、でも
お付き合いいただける方は、以下からどうぞ。
 小さな傷口が、ゴボリと濁った朱色を零す。
 ドクドクと溢れるそれに片手をかざして、出血だけでもと止める。
 くたりと、なのはがフェイトの足にもたれかかった。
 それでもその手は、フェイトから離さない。
 そしてフェイトも、離そうとはしない。
 ギシリ、金の光で抑え込んだまま押し切ろうとしたフェイトが、歯を噛みしめた。
 レリックの魔力量が、上がっていた。
 ザギン!
 拘束を解いて、いや、拘束を突き破って中空へ飛び出す。
 その様はまるで、針に包まれたかのようだった。
 一本一本の針には、ジュエルシード並みの魔力が詰まっているのが分かる。
 「このままじゃ、きつい、ね」
 フェイトが呟いた。
 二人分の魔力がフェイトの中に満ちてはいても、バルディッシュで制御をおこなった時点でぶつけることのできる量は減ってしまう。
 バルディッシュにも、そしてフェイトにも、負担を掛けないという選択肢は、残っていなかった。
 「バルディッシュ……リミットブレイク、いくよ」
 二人分の魔力の流し込まれたバルディッシュが、暗く輝いた。
 雷光を思わせるそれと共に、バルディッシュが常よりも巨大な刃を展開する。
 チリチリと、刃に触れた空気が焼ける。
 巨大な、強大な、圧縮された刃。
 「っつ!」
 飛沫のように緋が飛んだ。
 バルディッシュを握るフェイトの手がささくれる。
 溢れ出した魔力が、フェイトの肌を突き破って噴き出していた。
 ゆっくりと、傷口を確認するかのようにフェイトが右手を肩の高さまで挙げた。
 それは、レリックの浮かぶ数センチ上の高さ。
 突き出した棘の分体積が増えて、そしてフェイトと対峙するように浮かぶレリックの。
 フェイトが右手を突き出した先、フェイトの腕もう一本分以上の長さをあけて浮かぶレリックに焦点を合わせたまま、フェイトは右手を左肩の上に回した。
 力を込めた右腕から、絞られるように赤い液体が滴る。
 のろのろと上げられたなのはの顔に、熱い液体が落ちた。
 まわした右腕を、肘を支点に少しだけ持ち上げる。
 握った拳を、耳の高さまで。
 上がった拳の高さだけ、肘の位置が下がって、フェイトの腕を赤い筋が走った。
 ささくれたフェイトの腕の各所から赤い線が、フェイトの肘の端を目指す。
 一点に集まったそれは、重力に引かれて膨れ、そして。
 落ちた。
 キン
 それを合図にしたように、レリックが走った。
 一直線に次の標的を、フェイトを目指す。
 遅れて、フェイトが動いた。
 体ごと前に倒れるように、右腕を袈裟に振り下ろす。
 金の刃が煌めく。
 それはレリックの走る直線上、その瞬間に在るべき場所を切り裂いた。
 切り裂いて。
 ……手ごたえはなかった。
 フェイトの頭上、斜め前45度。
 急制動を掛けたレリックが浮いていた。
 ――ジュエルシードにも、もちろんレリックにも、意志などというものは存在していない。
 そこにあるのは、システムだけだ。
 だから、その挙動にどんな意味を感じるかは受け手次第なのかもしれないが、それでも。
 レリックは、一度だけ揺れた。
 満足げに笑うように、身を震わせた。
 blitzによる補助を受けても、この距離ならばレリックの方が速い。
 絶対的で、致命的な間合い。
 宿主は決まり、レリックは活動をはじめ、ジュエルシードが作り出される。
 フェイトのこれまでの日々も、傷ついたなのはも、全てが無駄になる。
 そうなるべく、レリックが走った。
 何も見えず、何も聞こえないただの魔力の塊が。
 ――だから、レリックには聞こえない。
 なのはにも、聞きとることはできなかった。
 ただフェイトと、バルディッシュだけが、その世界で音を聞いた。
 声を、聞いた。

 ―― sonic ――

 飛び込んでくるレリック。
 身を起こしていたフェイト。
 閃光は、既に走り去った後だった。
 なのはを守るように立つフェイトの直前、レリックが、ずれた。
 ズルリと、斜めに断面を晒して。
 もはや慣性で動くのみとなったレリックは、フェイトの張った障壁に当たり、弾かれ、落ちて。
 そして、砕けた。
 


 手早くなのはの傷口に魔法による処置を施したフェイトの視界の隅を、淡く光る物が過ぎった。



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