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ヒトもすなるぶろぐといふものを、私もしてみむとてするなり。 徒然なるままに文章を書いてみるつもりです。
M. T. 52
言葉を選べば
悠々自適

こんばんは
フェルゼです。

辛いハヤシライスというのは、ハヤシライスとしてどうなのだろうと思う今日この頃。
カレーでいいじゃん。
え? だめ?

さて、今回更新はM. T.
ごりむちゅう
お付き合いいただける方は、以下からどうぞ。




 「危ない!」
 なのはが叫び、同時に障壁を強化する。
 物理衝撃をも防ぐレベルに高められたそれは、鈍い音とともにフェイトに向かっていた光弾を弾き返した。
 弾かれた光弾がその場に浮く。
 ジュエルシードのようで、しかし、色の深さが違う。
 それは危険なものだ、と、無言のままに理解できる色だった。
 「レリッ――」
 その名を口に出そうとしたフェイトの言葉が途切れる。
 光弾が……レリックが戸惑うように滞空したのは一瞬。
 次の瞬間、レリックはその矛先を変えて飛び出した。
 障壁密度の、濃い方から薄い方へ。
 「なのは!」
 フェイトから、なのはへ。
 なのはが自身に軸を変えようとし、フェイトもまたなのはの正面に障壁を張ろうとする。
 透明な欠片が散らばる。
 透き通った桜色が、空気に溶けるように消えていく。
 なのはの体が、後方へ飛んだ。
 間に合わなかった。
 甲高い音と共になのはの障壁の薄い部分が破られた。
 目を見張るフェイトの眼前で、それはなのはの体に突き刺さっていく。
 「あぐっ……!」
 堪らずなのはが蹲った。

 分かっていたはずなのだ。
 この場にいる魔力適正のあるものは、フェイト一人ではないことくらい。
 分かっていたはずなのだ。
 フェイトへの侵入に失敗したとき、次の標的がなのはになることくらい。
 なのになぜ、それを防ぐことができなかった。
 こんなところにレリックがあるなんて思っていなかったから?
 レリックの力が、予想以上だったから?
 ……でも、決まっている。
 やるべきことは、決まっているんだ。
 なのはからレリックを取り出して、それを封印する。
 二度と、これらに起因する不幸が起こらないように。
 自分のような不幸が、もう誰の身にも降りかからないように。
 でも、どうやって?
 どうやってなのはから取り出す?
 なのはを傷つけなければならないの?
 自分自身の手で。
 なのはを。
 そして、取り出せたとしても封印できるの?
 あの短い時間に感じただけでも膨大だった魔力を、封じ込められるの?
 自分だけの魔力で。
 もしも、失敗したら。
 でも。
 フェイトがバルディッシュを握り締める。
 ……カタカタ
 聞きなれない音。
 瞬時に周囲に気を配る。
 しかし、すぐに小さなため息と共に視線を落とした。
 バルディッシュが、揺れていた。
 いや、違う。
 フェイトの手が、揺れていた。
 顔を上げたなのはが、額に汗を浮かべたまま、苦笑した。
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