Empty Dumpty
ヒトもすなるぶろぐといふものを、私もしてみむとてするなり。 徒然なるままに文章を書いてみるつもりです。
M. T. 50
とりあえず、言いたいのは一つです。
――安易で何が悪い。

こんばんは
フェルゼです。

安易でも、いいじゃぁ、ないかぁー
とか何とか言いながら、
私は今日もぽそぽそと。

さて、今回更新はM. T.
どんなひと?
お付き合いいただける方は、以下からどうぞ。



 やはりという思いと、何故という疑問が、なのはに浮かぶ。
 あの女性は、やっぱり、フェイトちゃん達のお母さんだった。
 あの女性の姿が、何故、フェイトちゃんにも見えているの?
 「ジュエルシードが見せようとしたから、だろうね」
 前を向いたままで、そう言ったフェイトの表情は見えない。
 苦々しく言葉を吐くフェイトの表情は。
 「はぁ……」
 一つ息を吐いて、肩の力を抜いて。
 フェイトは、バルディッシュを握る手に力を込めた。
 バッ
 女性が、両手を広げた。
 ジュエルシードを守ろうとするかのように。
 「フェイトちゃん!」
 思わずなのはが、声をかけた。
 フェイトの母親に対する思いは、家族に対する気持ちは、共に暮らす中で気付いていたから。
 離れているから、大切にしたい。
 そこまでは、なのはにも理解できる。
 出てきてしまったとは言え、家族を捨てたわけではないから。
 元気でいて欲しいと思うし、何かあれば帰ろうともするだろう。
 けれども、フェイトの距離は、遠すぎる。
 失ってしまっているのだから。
 だから。
 フェイトの気持ちは、強すぎた。
 それに、救えなかったという罪悪感が付加されて、加速されている。
 幻影と言えど、彼女に対しては強力な咎になり得る程度には。
 「かあ、さん」
 フェイトが歯を噛みしめる。
 なのはの心の揺れが響き、フェイトの前に張られた障壁が震えた。
 女性の姿に縫い付けられていたフェイトの意識が、それによって少しだけ、広がった。
 徐々に思考が落ち着いていく。
 なのはを心配させちゃったな。フェイトが声に出さずに呟いた。
 それでもなのはは、戸惑いながらも私を守ろうとしてくれている。
 なのはは、私を守ろうとしてくれている。
 だから私は、ジュエルシードを封じる。
 ……
 じゃあ、母さんは?
 「……フェイトちゃんのお母さんは、どんな人だったの?」
 自問と同時にフェイトに聞こえたのは、なのはの声。
 そうだ、母さんは、何をする?
 母さんなら、どうしていた?
 ――そう、だよね。
 フェイトの表情から、つと、力みが抜け落ちた。
 「母さんは」
 ぎゅっと、フェイトが両手に力を込めなおした。
 「母さんの事は」
 女性の幻影が、首を振る。
 やめなさい――そう言うかのように。
 けれども。
 「母さんの事は、私の方が知ってる!
  これでも……娘だったんだ!
  母さんなら、そんなことはしない!」
 フェイトは振り払うように叫んで。
 そして。
 バルディッシュを、振り下ろした。
 金色に輝く刃が女性を、幻を切り裂いて。
 そのままの勢いで、ジュエルシードを貫いた。
 キシィィィィィ
 不自然な、悲鳴のような甲高い音が上がる。
 高く高く、どこまでも響き渡るかと思われたそれは、けれども。
 やがて空気に溶けるように、消えた。

 ジュエルシードの封印。

 コトリと破片が転がり、違和感が霧散する。
 「……」
 なのはの障壁が解除された。
 フェイトの視界の片隅で、なのはが肩を下ろしたのが見えた。
 「ありがとう、なのは」
 「え?」
 疑問を返したなのはに答えないまま、フェイトがそれに歩み寄った。
 「これで、後は――」
 フェイトがそう口にした時、散った違和感が、再び集束した。
 「そんな!」
 フェイトが視線を背後に向ける。
 「ジュエル、シード」
 なのはが呟いた。
 違和感、それは、隣の部屋から発せられていた。
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