Empty Dumpty
ヒトもすなるぶろぐといふものを、私もしてみむとてするなり。 徒然なるままに文章を書いてみるつもりです。
M. T. 45
我が家にT-falが導入されました。
いらっしゃい高級家電。
こんにちはせれぶりてぃ。

こんばんは
フェルゼです。

あー、久しぶりにネットに繋がりました。
しばらく断絶されておりまして……。
思うままに調べ物が出来ないってのは、不便ですね。
んでもって、ブログがどうなっていたかもわからないってのはね。
何やら以前の物にも拍手をいただいてしまったようなのですが、御新規さんがいらしていたのかどうなのか……ちょっと傾向が把握できないのが残念です。

さて、今回更新もM. T.
近々別のジャンルの物も挟んだりしてもいいかしらん?
お付き合いいただける方は、以下からどうぞ。



 「ここ、が?」
 フェイトの手を借りて馬から降りたなのはが、どこか呆然としたように言葉を漏らした。
 町から少し離れたそこ――T-ガーデンと記された朽ち掛けた標識だけが表しているその場所は、錆付いた柵に囲われていた。
 決して拒絶的ではない緩やかな曲線で形作られたその柵も、半ば以上が赤茶けた、錆と似た色をした蔦に覆われていた。
 美しいアーチを描く門扉も同色の蔦と、同色の鎖に絡め取られていた。
 門扉を縦に貫く蔦。
 横に貫く鎖。
 クロスしたそれは、あたかも。
 「十字架、みたい」
 扉に手を当てて、なのはが呟いた。
 「最後に私が来た時には、ここまで錆ついてはいなかったんだけれどね」
 なのはから一歩下がって、フェイトが言った。
 「そのころから、そのクロスは不思議と形作られてたよ」
 「そう、なんだ」
 なのはが背を向けたままで返す。
 墓標にちょうどいいでしょ。そんな声が聞こえた気がして、なのはが振り向いた。
 「ここはテスタロッサの眠る場所。
  テスタロッサの朽ちた場所。
  この場所そのものが、テスタロッサの墓標」
 「墓標……」
 フェイトが見つめる先に、なのはが視線を向けた。
 何を見ているのか。
 遠い視線が、放り投げるように館に向けられている。
 なのはも同じように見つめるが、しかし、そこには朽ちかけた館があるという以外の思いを抱けない。
 フェイトが抱いているであろう感慨は、なのはには得られない。
 フェイトの過去は少しだけ、本人の口から聞いていたけれども、それでも。
 血の通った、吐息の中で日々を過ごしたのはフェイトだけだから。
 異なる日々を過ごしたなのはには、薄く想像することしかできない。
 なのはの胸に渦巻く感情は確かに、悲しさという名前をつけることのできるものだったけれども、それが何に由来しているのか。
 フェイトの過去、家族の幸せだった日々を思い浮かべてのものなのか。
 その思いをフェイトと共有できないからなのか。
 なのは自身にも、それは良くわからなかった。
 「行こう」
 フェイトが門を横目に歩き出す。
 「あ、うん」
 なのははそれに縋るように手を伸ばして、そして、諦めるかのように胸元に引いた。
 フェイトが、遠かった。
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