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ヒトもすなるぶろぐといふものを、私もしてみむとてするなり。 徒然なるままに文章を書いてみるつもりです。
一つの瞬間を越えて新年 貴女と始まりを告げる年と
こんばんは。
一日の昼ごろからネット環境のないところに行っていました。
だから…というとただの言い訳ですが、とりあえず。

正月三日といいますし、まだいいですよね?
年越しのお話、まだ賞味期限内ですよね?

では、以下からどうぞ。


 「晴れてよかったね」
 なのはは光の粒がきらめく夜空を見上げた。
 「そうだね。予報だと曇るって言ってたから」
 口元までマフラーに埋めて、フェイトが呟いた。
 
 現在大晦日。
 日付の、そして年の変わる数分前のとある神社の境内である。



 貴女と始まりを告げる年と



 冬の空は高く。
 「くしゅん!」
 そして風は冷たい。
 下を向いたままでフェイトちゃんが小さなくしゃみをした。
 なんだか可愛くて、思わず笑みが零れる。
 でも。
 「フェイトちゃん…風邪?」
 「うーん…違うと思うんだけど…」
 曖昧な返事を返す彼女。
 「ゴメンね…急に連れ出しちゃって…。
  なんとなく、年越しはフェイトちゃんと一緒にいたいなと思ったから…」
 「うぅん、私もなのはと一緒にいたかったから。
  連絡もらえて、すごく嬉しかったんだ」
 そう言って微笑むフェイトちゃんは本当に可愛くて。
 あぁ…私はやっぱりフェイトちゃんが好きなんだなぁ…って再認識をする。
 「でも、風邪は引き際が肝心って言うから…」
 「大丈夫だよ」
 言い切るフェイトちゃんだけれど。
 こういう時の「大丈夫」が当てにならないことは、誰よりも知っているつもり。
 「ちょっと待って…」
 持って来たポーチに手を入れる。
 確か…この辺りに…。
 「あった」
 「なのは?」
 覚えのある感触が手に触れて。
 取り出したのはビタミンC のタブレット。
 「はい、これ舐めて」
 「うん…ありがとう」
 そう言って差し出されたフェイトちゃんの手を、あえて見ない振りをして。
 「はい、フェイトちゃん」
 私は包みから出したタブレットを、フェイトちゃんの口元に差し出した。
 「え?あ…その…なのは?」
 「ほら、早く。フェイトちゃん」
 指先の体温で、徐々にタブレットが解けていく。
 「う…うん…」
 頬を染めて、瞼を下ろして。
 うっすらと開いたフェイトちゃんの唇の隙間に、私はタブレットを押し込んだ。
 少しだけついた指先のそれを、削ぎ落とすように唇に擦り付けてみる。
 「ぅ…」
 少しだけ粘性のあった液体が取れて、代わりに付いたのが人肌の温度を持つ液体。
 驚いたように目を開いたフェイトちゃんの視線を確認して、その指を咥えてみる。
 「にゅふふ…フェイトちゃんの味」
 我ながら、変な笑いが漏れた。
 「な…な…」
 真っ赤になったフェイトちゃんが、これまたどうしようもないくらいに可愛い。
 と言うか、どうしよう。
 やりすぎてしまっただろうかと、今更ながらな思いが押し寄せる。
 ごめんね、ちょっと悪ノリしちゃったと謝るべきか。
 いっそこのまま暗がりへ連れ込むべきか。
 まさか年越しまで後数分というところで、こんな究極の二者択一を迫られるとは。
 とりあえず、次のアクションを起こしやすいように腕を抱きかかえておく。
 さて…どうしようか。

 と、その時。
 前の方の集団がざわつき始めた。
 「あと三十秒!」
 とか言う声も聞こえてくる。
 いつの間にやら、新年はすぐそこまで来ていたらしい。
 カウントダウン。
 いよいよ、一年が終わる。
 

 5
 頬を赤く染めたフェイトちゃんを見る。
 4
 こっちを向いたフェイトちゃんと、ばっちり目が合う。
 3
 同じタイミングで、微笑んで。
 2
 私は抱いていた腕を掴んで、フェイトちゃんに密着する。
 1
 少し驚いたように見つめてきたフェイトちゃんに、少しだけ背伸びをして。
 0!
 その唇を、奪った。
 
 突然のことに固まるフェイトちゃんを逃さないように抱き締めて
 「…ん…んんむぅ!?」
 ゆっくりと、深いものに変えていく。
 「ん…チュ…ク…チャ…」
 そして、その口内を一通り味わい尽くして。
 「ぅム…ん…ジュ……はぁ…」
 私はフェイトちゃんを解放した。

 「な、なのは…どうしたの?」
 「…えへへ」
 「なのは?」
 「初キス、だよ」
 「え?」
 「今年初めてのフェイトちゃんとのキスだから、だから『初キス』」
 「も、もう。なのは…だからって急に…」
 「だって今思いついたんだもん」
 「そう、なんだ」
 「ファーストキスは、レモンの味だったよー」
 そう告げた時の彼女は。
 私たちが生まれて初めて唇を合わせたその時と同じように。
 照れたような、困ったような。
 それでいて、私が溶けてしまいそうになるようなきれいな笑みを浮かべていた。

 さて、この後は…どうしよう。



 同時刻。
 同じ神社の境内。
 二人の場所から、少しだけ離れた位置。
 「ねぇ、アリサちゃん」
 「どうしたの、すずか?」
 「あれ、なのはちゃんとフェイトちゃんじゃない?」 
 「えっと…あぁ。あのくっついてる二人ね」
 「やっぱり目立つね」
 「ほんと、なんでああも堂々と人前で腕が組めるのかしら」
 「どうせだから、一緒に初詣しようって誘ってみる?」
 「やめときなさい、すずか」
 「どうして?」
 「その満面の笑みは、すでに答えを知ってのものだとしか判断できないわよ」
 「ふふっ」


 その頃。
 夕食の後片付けも済み、ごみの分別をしていた高町家。
 「あ…」
 「どうかした?」
 「夕食の時、ジュースと間違えて酎ハイ出しちゃってた…」
 「あらら…今は、フェイトちゃんと初詣か…」
 「そうね…大丈夫かしら」
 「ほんと、大丈夫かな…」
 「「フェイトちゃん」」




 後書き
 なんとも分類不能なものが出来上がりました。
 比較的真面目なところは、素面で打ったところです。
 そうでないところは、酒精を摂取して後、打ったところです。
 恐るべしはアルコール。
 そういうことで、一つ。
 これで新年の物語にしようって言うんですから、今現在も相当酔ってますね。
 え?どのあたりが真面目か分からない?
コメント
この記事へのコメント
なのはの親の心配はフェイトですかw
娘の事をよく理解してますねww
2008/02/19 (火) 07:09:33 | URL | 時祭 #-[ 編集]
コメントありがとうございます
なのはさんのことというか、きっと、あのお二人の関係をよく理解されているのでしょうねw
フェイトさんが遊びにみえていて、お菓子でも出そうとうっかりノックを忘れて扉を開けてしまって・・・あらまぁ
という事態もあったのではないかと(どんな
2008/02/23 (土) 23:50:03 | URL | フェルゼ #-[ 編集]
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