Empty Dumpty
ヒトもすなるぶろぐといふものを、私もしてみむとてするなり。 徒然なるままに文章を書いてみるつもりです。
M. T. 8 フェイト先生となのはさんの何の変哲もない一日~昼~
今年もこのセリフを言わねばならない時期になりました
みんな、文化してるー!?

こんばんは
フェルゼです。

小説をあさっていたら、二十年以上前の星座占いの本が出てきました。
曰く、私は
・空想癖が強い
・気まぐれ
・幸運を招くものは百合
だそうです。
否定できねぇ…。

さて、今回更新もM. T.
別に何も起こらない物語続編です。
お付き合いいただける方は、以下からどうぞ。

 「うん…だいぶ良くなってるね。後は、喉の腫れがひけばいいかな…?」
 問診と触診を済ませてから、少女の口内を確認してフェイトが呟いた。
 「今から出す薬を一日三回。食前…いや、食後でいいかな。食後に、飲ませてあげて下さい」
 付き添いで来ていた母親にそう言ってから、再びフェイトは少女に向き直った。
 「ルーテシアちゃんは、苦いの大丈夫だよね?」
 「はい」
 「いい子だ」
 小さく頷いた少女に笑いかけて、フェイトは腰を上げた。
 「なのは、緑の15番と赤の6番を」
 「3対1、だよね」
 「そう、それにピンクの1番を10分の1だけ」
 「何回分?」
 「九回」
 「うん、わかった」
 指定された引出しから指定された分量を量り取り、ルーテシアと書いた袋に包んで入れていく。
 それをちらりと確認して、フェイトはまた腰を下ろした。
 「それじゃあ、外で待っててください。なのはが呼びますから」
 「はい、ありがとうございました」
 「ありがとうございました」
 母親にならって礼をした少女にバイバイと小さく手を振って、フェイトは受付表に目を落とした。
 「じゃあ、次…ナカジマさん。ナカジマゲンヤさん」
 「よ、フェイト先生。ご無沙汰」
 片手をあげて、壮年の男性が診察室に入ってきた。
 フェイトの診察は休みなく続く。
 お昼の休憩だって、実際の時間は日によってまちまちだった。
 それでも、フェイト一人よりは格段に効率が良くなっていて、ずいぶん楽になったとフェイトは笑う。
 なのははなのはで、くるくると雑事をこなしながらこの時間を楽しんでいた。
 いつもは笑顔でも、触診などの際には真剣な表情をするフェイト。
 なのははそれをこっそりと覗き見ながら、人気者なんだなぁと少しだけ嘆息する。
 老若男女、訪れる人たちはみな彼女の腕を信頼している。
 体に関することならちょっとした悩みでも真剣に聞いてくれるから、相談だけに来る人も結構多い。
 そして、中には…邪推かもしれないけどフェイトちゃんを目当てに来てるんじゃないかって思っちゃうような男の人や…女の人。
 はぁ…。
 「なのは?」
 「あ、はい!」
 「どうかした?」
 気がつくとフェイトに覗きこまれていて、返事の声が裏返った。
 「ううん、なんでもないよ。フェイトちゃんこそ、どうしたの?」
 「どうしたのって、午前の診療終わったから休憩に入ろうと思って声掛けてるのに、なのは返事しないんだもん」
 「あー、ごめん。ちょっと考え事してた」
 「ミスしないでよ、慎重な仕事なんだから」
 「うん、大丈夫」
 「薬と会計は全部?」
 「うん、みんな済ませたよ」
 「受付表とのずれは?」
 「ないよ。大丈夫」
 「それじゃあ、お昼にしようか」
 「うん!」

 「ルーテシアちゃんだけど」
 サラダに入っているトマトを飲み込んでから、なのはが口を開いた。
 昼食は用意の時間があまりないので、サラダを出すことが多い。
 もしくは朝食の残りだが、今日はフェイトが嫌がった。
 「ルーテシアがどうかした?」
 同じく赤いそれを、こちらは眉をひそめて見つつフェイトが訊ねる。
 「もう熱下がったんだよね?なのにどうしてあのお薬を出したの?」
 「あぁ、あの薬?あの薬はね、熱冷ましの効果もあるけど、喉の腫れを引かせる効果もあるんだ。
  気になった?」
 「うん…私も詳しくなっておいた方がいいのかな」
 「そうだね…対応する知識を持ってくれると、意味もわかってやりやすいかもしれないね。
  でも、なのはは専門家じゃないんだから、そんなに気にしなくてもいいと思うな」
 「そうかな…」
 「今のままでも十分、助けになってるよ」
 「うん…」
 頷きつつも、なのはの表情は釈然としていない。
 「勉強がしたいなら、私の知ってる限りのことは教えてあげる。
  必要なら、ここにはない本を買ってもいい」
 「そんな、わざわざ私のために買ってもらう必要はないよ!
  ここにある本だって、まだまだ理解しきれてないんだから。
  だから…うん、フェイトちゃんに時間があるときに、少しずつ教えてくれると嬉しいな」
 「そう…」
 フェイトの声がトーンを落とす。
 サラダの所為かな、そう思いつつ、なのははスープを口に含んだ。
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