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ヒトもすなるぶろぐといふものを、私もしてみむとてするなり。 徒然なるままに文章を書いてみるつもりです。
left XI -悦楽カメリア-
評価とは他人様が下すものですから。
良くも、悪くも。

こんばんは
フェルゼです。

今回のは…ん、まぁちょっと。
予想されておられる方も見えるでしょうが、ちょっとあれなので。
年齢制限付けるほどのものは書けませんでしたが、一応、
良い子は見ちゃダメ。

それでは、その身に刻む第十一話。
お付き合いいただける方は、以下からどうぞ。

 誰が為の歌



 XI -悦楽カメリア-



 「すまんな、なのはちゃん」
 はやては執務室の椅子に腰かけてそう呟いた。
 人払いをし、厳重にロックをかけたこの部屋ははやての知る限り最も機密性が高い場所である。
 リインフォースにすら入室を禁じ、はやてが取り出したのは一枚のチップ。
 現在ではほとんど見かけることのないそれをあえて用いて、はやてはとある部屋の様子を録画していた。
 引き出しの奥から取り出した旧型の再生機をディスプレイにつなぐと数秒のノイズの後、音声が聞こえてきた。
 扉の開閉する音に続いて聞こえた声。
 『ごめんねフェイトちゃん、待たせちゃったね。ね、早く始めよう?』
 浮かされたようなその声は、間違いなく教導官の声。
 さらに数瞬続いたサンドストームの後、小さく映し出されたのは教導官その人。
 そう、六課部隊長が緊急時のみに使われる監視システムを用いて録画したのは今は一人しかいない分隊長の私室であった。
 親友のプライベートを覗き見る罪悪感に、はやての顔が歪んだ。
 一つだけ、確かめたいことがあった。
 『あ、そうだフェイトちゃん。あの子大人しくしてた?もう、元気すぎて困っちゃうよ。…うん、そう、寝かしつけてくれたんだ。ありがとうフェイトちゃん』
 ベッドの一角、他と比べると比較的整っている場所にあるそれに手を伸ばした。
 『でも、元気なのもしょうがないよね…だって、私たちの子供なんだもんね』
 そう言って抱き上げたウサギのぬいぐるみの頭を数回撫でて、そっと元の場所に戻す。
 『フェイトちゃん、見て。ほら。フェイトちゃんのこと考えただけでなのはのここ、ね…』
 乱れたベッドに座りこんだ教導官は、自らの手で体を弄っているように見える。
 しかし、何かを持っているような気もする。
 ボタンの上に伸ばされたはやての手が、宙で止まる。
 瞳に明らかな逡巡の色を浮かべたはやては、しかし唇を強く噛み締めるとボタンに触れた。
 一時停止し分割された画面の番号の一つを打ち込み、倍率を指定する。
 画面のブレが収まると、画面いっぱいに映し出された教導官の姿。
 自らを慰める、教導官の姿。
 それを目に入れないようにしてはやてはもう一度ボタンを押し、更に画面を拡大した。
 指定したのは教導官の手元。
 その手に持つ、白い物体。
 倍率を上げすぎたためか粗くなってしまった画像だが、それが何なのかははっきりと確認できた。
 ぎり…と奥歯を噛み締める音が響く。
 教導官の持つ「白」は、固定されたことにより元の透き通るような白からただの不透明な白になっていた。
 いくつかの先端部は教導官の「中」に埋没しているため確認はできないが、見えているそれは元の繊細さを残していた。
 はやての左手が両の目を覆う。
 予想はしていた。
 いや、ほぼ確信だった。
 けれども、知りたくはなかった。
 身じろぎをした拍子に、右の手が別のボタンに触れた。
 途端に拡大は解除され、画像が動き出す。
 『あ…フェイトちゃん、もっと、深く…なのはのこと、もっと…』
 バチィ
 叩きつけられたこぶしに、ディスプレイの基部が火花を散らす。
 再びノイズが走り、唐突に画面が消えた。
 しばらく息を整えていたはやては、再生機からチップを取り出した。
 叩き割りたくなる衝動を耐える。
 握りしめたそれを再生機とは別の特殊ブリーフケースにいれ、はやては部屋から出ていった。
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